いまのところBtoB(企業間取引)向け先行で市場拡大がみられるメガネ型端末。だが、この流れが一般消費者の購入意欲に直結するかといえば、そう簡単ではない。モバイル研究家で青森公立大学経営経済学部准教授の木暮祐一氏は、普及のハードルについてこう指摘する。
「メガネ型端末は、日頃からメガネをかけている人はどうするのかとか、逆にメガネをしない人には煩わしいなど、腕時計型よりも導入に抵抗を感じる人は多いと思います。デザイン性やファッション性において、周囲の人から“異質感”を持たれる製品も多いですしね。
そうした煩わしさを払拭できるくらいのキラーコンテンツが打ち出せるかどうかが普及のポイントです。ただ、現状ではスマホのディスプレイに表示される以上のメリットを搭載するのは難しい。当面はBtoB向けの特殊用途ばかりになってしまうでしょう。
『電脳コイル』などSF漫画の世界では描かれている未来ですが、一般的に認知され普及するまでには、まだまだ時間がかかると考えます」
その他、装着したまま歩くことの危険性や、カメラ機能の搭載などによるプライバシー侵害の問題など、今後乗り越えなければならないハードルは高い、と木暮氏はいう。
日進月歩の技術開発とは別に、そもそも消費者が未来のウェアラブル端末に必要性を感じなければ、普及が進まないのは当然だろう。