国際情報

大食漢の米国人 日本の食べ・飲み放題システムに涙して喜ぶ

 東京五輪誘致のスピーチでもとりあげられ、注目が高まる日本の「おもてなし」。NHK BSの人気番組『cool japan』で司会を務める作家で演出家の鴻上尚史氏が、来日外国人が感動する日本のきめ細かなサービスについて解説する。

 * * *
 来日外国人が一様に感動するのが日本のきめ細かなサービスです。「本国で働いてお金を貯め、日本で接客などのサービスを受けたい」という理想を語る外国人は実に多い。間違っても、その逆をやってはいけないと彼らは言います。

 深夜でも様々なモノが買えるコンビニエンス・ストアはまさに便利の象徴です。ニューヨーク、ロンドン、パリでも深夜に電池、アルコール、タバコを買うことはできません。コンビニの端末機でコンサートや映画のチケットが購入できるのも世界中で日本だけです。 自動販売機も外国人を驚かせます。外国の道端に自販機があれば、一晩で壊されて商品とお金を奪われるでしょう。

 最近では鍋料理やカラオケを一人で楽しめる、日本独自のお一人様サービスも数多く登場して注目されています。

 大食漢の米国人が涙して喜ぶのが食べ放題・飲み放題というシステム。「母国でもやればいいじゃないか」と聞くと、「ムリだ。絶対に店が潰れる」とのことでした。

 荷物が届けられた時に不在の場合、当日か翌日に再配達時間を指定できる宅配便にもすべての外国人は仰天します。

 一方、日本が誇るおもてなしを求めて日本旅館に宿泊し、悲鳴をあげた外国人も数多くいます。夕食から戻ったら勝手に布団が敷かれていたり、朝、仲居さんが「おはようございます」と部屋に入ってくるのに仰天したりするのです。プライバシーは無いのか、と。

 日本のサービスは言わば「先読みの極意」であり、「みなまで言うな、求めているのはコレでしょう」という暗黙の了解で成り立ちますが、異文化で暮らす外国人には通じない面もある。そうしたケースでは相手が求めていることを具体的に聞くなどの臨機応変さ、丁寧なコミュニケーションが必要でしょう。

※SAPIO2015年11月号

関連キーワード

関連記事

トピックス

生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
麻辣湯を中心とした中国発の飲食チェーン『楊國福』で撮影された動画が物議を醸している(HP/Instagramより)
〈まさかスープに入れてないよね、、、〉人気の麻辣湯店『楊國福』で「厨房の床で牛骨叩き割り」動画が拡散、店舗オーナーが語った実情「当日、料理長がいなくて」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
50歳で「アンパンマン」を描き始めたやなせたかし氏(時事通信フォト)
《巨大なアンパンマン経済圏》累計市場規模は約6.6兆円…! スパイダーマンやバットマンより稼ぎ出す背景に「ミュージアム」の存在
NEWSポストセブン
保護者を裏切った森山勇二容疑者
盗撮逮捕教師“リーダー格”森山勇二容疑者在籍の小学校は名古屋市内で有数の「性教育推進校」だった 外部の団体に委託して『思春期セミナー』を開催
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
新宿・歌舞伎町で若者が集う「トー横」
虐待死の事例に「自死」追加で見えてきた“こどもの苛烈な環境” トー横の少女が経験した「父親からの虐待」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
NEWSポストセブン