投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が10月12日~10月16日のドル・円相場の見通しを解説する。
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ドル・円は底堅い値動きとなりそうだ。9月米雇用統計が想定を大幅に下回る内容だったことから、市場参加者の間では、利上げ開始は2016年3月との見方も出ているようだ。ただし、利上げ開始時期の後ずれを受けて米国株は上昇しており、リスク選好的な円売りが増えていることから、ドルは対円で底堅い値動きを続けるものと予想される。
米企業決算(7-9月期)が本格化するなか、好業績が示されればドル買いにつながる見通し。ただ、有力なドル買い材料は乏しいため、ドルの大幅高は期待できない。業績悪化で米経済の先行きに不透明感が増した場合にはドル売りに振れやすいが、日銀による早期追加緩和期待は残されており、ドル安・円高が急速に進行する可能性は低いとみられる。
【日銀金融政策決定会合議事要旨】(13日:9月開催分)
日銀による追加金融緩和への期待感が強まるなか、日銀内の経済情勢に関する認識が注目される。今月30日には展望リポートが示される予定だが、日銀が目標としている物価上昇率2%の達成が困難な状況となっており、委員の発言に内容修正に関するニュアンスが読み取れるかがポイントとなろう。
【9月米消費者物価指数】(15日発表)
総合指数の前年同月比は、8月が+0.2%だったが、9月は-0.1%と予想されている。9月16-17日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)利上げが見送られ、今月2日の米雇用統計が想定外に悪化したことから、年内利上げ観測が後退するなか、消費者物価が弱含むと利上げは困難になるとの見方が強まる可能性がある。
10月12日-16日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。