「主力選手は警戒心が強いが、準レギュラークラスの選手にはスキが多い。それに末端の胴元はカタギであることも珍しくない。知人だからと断わりきれずに始めて、気がつかないうちに取り込まれていることは非常に多い。
ちなみに末端の胴元は“枝”と呼ばれるが、これは万が一摘発された時などにポキッと折ってトカゲの尻尾切りをして、トップ組織まで影響が及ばないようになっているから。実は枝自身もトップの胴元の顔を知らないケースが多く、なかなか“本丸”まではたどり着けないようになっている。福田投手を処罰したからOK、ということではないと思うよ」(同前)
46年前に発覚した「黒い霧事件」では、現役選手が野球賭博にかかる八百長行為に関与したことが発覚。結果的に約20人もの選手が処分を受け、うち6人が球界を永久追放となった。まさか、その地下茎が延々と生き延びて、今回の事件につながっているのではないか。野球界は徹底的に調査し、野球賭博との関係を今度こそ断ち切らねばならない。
だが、巨人は徹底解明どころか、他の選手の関与については「聴取」をするだけにとどまっている。
「野球賭博は『やりました』と認めた時点で最悪、無期の失格処分になる。質問されても絶対に認めるはずがない。警察に介入してもらって徹底的に調査しなければ、全容の解明は不可能です」(スポーツ紙記者)
野球評論家の江本孟紀氏も苦言を呈する。
「プロ野球は再び社会から厳しい目を向けられ、イメージと信頼は失墜した。この問題から背を向けることなく、NPB(日本野球機構)を中心に、巨人をはじめ各球団は徹底的な調査をすべきだ。ファンの信頼を取り戻すためにも、うやむやで終わらせてはダメです」
巨人が「球界の盟主」を自任するのなら、今こそ自ら膿を出し切る覚悟が必要なはずだ。
※週刊ポスト2015年10月30日号