高齢化が進む日本における医療の究極の目標は、認知症発症を防止し、健康寿命を長くすることだ。そのために運動の必要性がいわれているが、最適の身体活動量は各自異なる。過小であれば効果はなく、過剰であると、逆効果をもたらす。
「そこで分子、細胞、動物レベルで得られた新知見をヒトで実証すべく、スポートロジーセンターを立ち上げました。24時間の滞在中に体中の詳細が緻密に判明します。運動や食事などの効果がどの臓器に、どのように作用し機能改善しているのか、明確に把握できます。すでに多くの新発見がなされています」(河盛センター長)
さらに小児、思春期スポーツでの脳震盪が脳のダメージを惹起(じゃっき)していたり、不適なトレーニングや食事が女性アスリートの月経異常、骨折、低身長などを引き起こしていること。それらを見出し、解決策を提案しているのもスポートロジーのテーマの一つだ。
■取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2015年11月20日号