ビジネス

月額590円「痴漢冤罪保険」に申込殺到 首都圏在住者に人気

 痴漢と間違われることを恐れて満員電車では必ず両手を上げる、そんな中高年男性は多いだろう。しかしどんなに注意しても、もし疑われてしまったら……。そんな人のために発売され、話題を呼んでいるのが、通称「痴漢冤罪保険」である。

 ジャパン少額短期保険株式会社が9月10日に発売した「痴漢冤罪ヘルプコール付き弁護士費用保険」。いったいどんなものなのか、同社社長の杉本尚士氏が説明する。

「保険というものは、社会生活で起こるあらゆるリスクに対応して商品化するものです。痴漢冤罪は毎日、満員電車で通勤するサラリーマンにとってまさに日常的に起こり得るリスク。

 この保険には、痴漢冤罪ヘルプコールというものがついています。男性が痴漢を疑われたとき、携帯電話やスマートフォンにあらかじめ登録しておけば、事件発生時に画面のボタンを押すだけで、登録弁護士の携帯電話やスマートフォンにメールが一斉発信され、弁護士と電話で相談できるという仕組みです」

 月額590円払えば、事件発生後48時間以内に限り、弁護士の相談料、接見費用は無料だという。痴漢冤罪における弁護士の役割について、アディーレ法律事務所の岩沙好幸・弁護士は語る。

「痴漢容疑で逮捕されると、検察に送致されるまでの警察署での48時間が決め手です。このとき警察に対して取る対応によって、裁判にならずに済むかどうかが決まります。

 たとえばここで一部分だけでも認めてしまうと、あとでひっくり返すのは難しくなる。『結果的に手が当たってしまったのかも?』というような譲歩した言い方も危険です。冤罪なら警察に言質を取られるような物言いをしないよう、弁護士と早急に相談する必要があるのです」

 実際に対応が早かったことで、起訴を免れたケースもあるという。警察に言い分が認められず起訴され裁判になってしまうと、冤罪でも無罪を勝ち取ることは難しくなることは、「刑事事件で起訴されると有罪になる確率が99%」という事実が端的に示している。

 この保険は「発売から申し込みが殺到して、首都圏在住の方を中心に人気」(同社長)だという。満員電車に乗るために保険を払わねばならぬとは、ますますオヤジが生きづらい世の中である。

※週刊ポスト2015年11月20日号

関連キーワード

トピックス

ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン