■地上波とはまったく違うBS独自の音楽番組
ではBSには実際どんな音楽番組があるのか見渡してみると、地上波とは趣向の異なるプログラムを数多く発見することができた。
月曜夜9時のゴールデンタイムから放送されている『BS日本 こころの歌』(BS日テレ)は“合唱”が売りの音楽番組。『また逢う日まで』『喝采』『津軽海峡冬景色』といった名曲を、混成コーラスグループが毎回、美しいハーモニーを聴かせている。
同じくBS日テレの夜8時からは、実力派歌手が一堂に会する『歌謡プレミアム』が放送。『母に捧げるバラード』や『浪速恋しぐれ』といったセリフ入り名曲集や、古賀政男や遠藤実といったヒットメーカーの曲を2時間の特別編成で歌手たちが歌い綴るスペシャルなどさまざまな切り口の企画も人気だ。
水曜夜7時、五木ひろしが司会を務める毎週2時間のレギュラー番組『日本の名曲 人生、歌がある』(BS朝日)。その回のゲスト歌手が、ベテラン歌手の名曲を本人の目の前で熱唱する企画「トリビュート タイム」が見もの。石川さゆりに憧れてこの世界に飛び込んだ演歌歌手・石原詢子(いしはら じゅんこ)が、緊張しながら『津軽海峡冬景色』を石川の目の前で歌うシーンは圧巻だった。
2014年4月から放送されている『地球劇場~100年後の君に聴かせたい歌~』(BS日テレ)も月1回(土曜夜7時)の放送ではあるが2時間の番組。加山雄三、さだまさし、小椋佳、吉田拓郎、徳永英明、渡辺美里、THE ALFEEなど、1人ないしは1組の実力派アーティスト(ウタビト)がスタジオに登場。その人生をまるまる2時間かけて解き明かし、さらにはヒットナンバーからファン垂涎の隠れた名曲まで歌い尽くすという贅沢な内容。ホスト(ツタエビト)である谷村新司のやさしい語り口も人気だ。
また、『あの年・この歌~時代が刻んだ名曲たち~』(BSジャパン 金曜夜11時)は毎回、20世紀のある1年にスポットを当てて、時代背景と当時の名曲をじっくり振り返る“音楽報道番組”。