「メーカーが出荷しているなら卸か小売か……。その両方かもしれませんが、バターが高値で売れるということで、流通のどこかで止まっている可能性が高いと思います」(同前)
北海道で製菓業を営む男性もこう語る。
「あまりにバターが少ない。利幅が薄いであろう業務用のバターなんてもう何年も不足し続けていて、バターの副産物である脱脂粉乳もこの1年ほど高止まりしている。政府の規制改革会議のワーキンググループも、乳業メーカーには事情を聞いているようですが、強くなりすぎた小売や流通には手をつけられていないようです。
われわれ製菓店も困って、どうしても足りない時期などは、一般消費者向けのバターでしのぐことも……。一抹の後ろめたさはあります。でもそれってわれわれのせいなんでしょうか……」
あるはずのものがない。まさかこの時期に、溶けてなくなったわけでもあるまい。バター、冬の怪である。