スポーツ

箱根3強の青学・東洋・駒沢 選手を奮い立たせる激励の言葉

駒澤大の選手には大八木監督(右)の激が飛ぶ(筆者撮影)

 国民の注目が集まる箱根駅伝までいよいよ1か月。今大会は、前回優勝の青山学院に加え、東洋、駒沢の3校が優勝候補に上げられているが、各々の大学を率いる監督はどのような手法で選手たちのハートを掴んでいるのか。一年中いつでも陸上長距離の現場に足を運び続けるウェブメディア「駅伝ニュース」を主宰する「公園橋博士」こと、西本武司氏が監督にまつわる話題をお届けする。

 * * *
 箱根駅伝では、選手を追走する監督車から、1km、5km、15kmといった決められた地点で決められた秒数での選手への声かけが認められている。のべつ幕なしに怒鳴っているわけではない。声かけにもルールがあるのだ(出雲駅伝では監督車はなくモニタールームで観戦。全日本大学駅伝では監督全員を乗せて走るバスがあり、所定のポイントで降りて選手に指示を出す)。

 東洋大の酒井俊幸監督の声かけを見ていると、選手との信頼関係が厚いことがよくわかる。全日本で連続写真を撮って気づいたのは、酒井監督が指示を出す間、服部勇馬(4年)の目が監督から離れないこと。指示の内容は「入りは××分だったから、もっと(ペースを)上げられるぞ。残りは△△分で行ける」といった具合に具体的で緻密だ。全日本では選手がその指示を的確に実行して、リードを着実に広げた。

 対照的なのが駒澤大の大八木弘明・監督だ。「男だろ!」という有名な掛け声に象徴されるように、短い言葉で選手を奮い立たせる。その檄は現役生だけでなく、卒業生にも向けられる。

 今年5月のゴールデン・ゲームズinのべおか(通称・GGN、主催・宮崎陸上競技協会)でのことだ。村山謙太(駒澤大卒、旭化成)が1万mに出場していた。なかなか調子が上がらないままラスト1周を迎えて大八木監督が発したのは福島弁なまりの「ケンタ!」の一言だけ。

 だが、恩師の一言が競技場に響きわたったその瞬間、弾けるように村山は驚くほどの加速を見せ、先行する設楽悠太(東洋大卒、ホンダ)をアウトから抜き去った。タイムは27分39秒95、世界選手権の標準記録を見事に突破してみせたのだった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

近年ゲッソリと痩せていた様子がパパラッチされていたジャスティン・ビーバー(Guerin Charles/ABACA/共同通信イメージズ)
《その服どこで買ったの?》衝撃チェンジ姿のジャスティン・ビーバー(31)が“眼球バキバキTシャツ”披露でファン困惑 裁判決着の前後で「ヒゲを剃る」発言も
NEWSポストセブン
2025年10月末、秋田県内のJR線路で寝ていた子グマ。この後、轢かれてペシャンコになってしまった(住民撮影)
《線路で子グマがスヤスヤ…数時間後にペシャンコに》県民が語る熊対策で自衛隊派遣の秋田の“実情”「『命がけでとったクリ』を売る女性も」
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
文化勲章受章者を招く茶会が皇居宮殿で開催 天皇皇后両陛下は王貞治氏と野球の話題で交流、愛子さまと佳子さまは野沢雅子氏に興味津々 
女性セブン
各地でクマの被害が相次いでいる(右は2023年に秋田県でクマに襲われた男性)
「夫は体の原型がわからなくなるまで食い荒らされていた」空腹のヒグマが喰った夫、赤ん坊、雇い人…「異常に膨らんだ熊の胃から発見された内容物」
NEWSポストセブン
雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
【天皇陛下とトランプ大統領の会見の裏で…】一部の記者が大統領専用車『ビースト』と自撮り、アメリカ側激怒であわや外交問題 宮内庁と外務省の連携ミスを指摘する声も 
女性セブン
相次ぐクマ被害のために、映画ロケが中止に…(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
《BE:FIRST脱退の三山凌輝》出演予定のクマ被害テーマ「ネトフリ」作品、“現状”を鑑みて撮影延期か…復帰作が大ピンチに
NEWSポストセブン
名古屋事件
【名古屋主婦殺害】長らく“未解決”として扱われてきた事件の大きな転機となった「丸刈り刑事」の登場 針を通すような緻密な捜査でたどり着いた「ソフトテニス部の名簿」 
女性セブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン