国内

園遊会で天皇からお声掛けされる「特別誘導者」の選ばれ方は

写真右の漫画家・水島新司氏は今回の特別指導者のひとり 共同通信社

 春と秋に天皇皇后両陛下主催で行われる「園遊会」。大勢の招待客はみな、陛下に「お声掛け」される光栄にあずかろうとするが、そこには一般人の目に見えないルールがある。皇室ジャーナリストの神田修一氏がレポートする。

 * * *
「園遊会にお招きいただきましたが、陛下および皇族方とは一切お話しすることができませんでした。あれほどの人数がいる中ではまず無理です。それでも国民として陛下にお会いできて光栄に存じます」

 園遊会に出席したひとりは、そう笑顔を浮かべていました。紅葉が池の水面に映える東京・元赤坂の赤坂御苑で11月12日、秋の園遊会が開かれました。招待客約2000名が出席する中、天皇皇后両陛下のお元気なお姿や皇太子妃雅子さまの12年ぶりの出席に国民は安堵し、明るい皇室像を見ることができたと思います。

 園遊会では、陛下との懇談ができる人はごくわずかです。その中に、場所や順番も決められている「特別誘導者」と呼ばれる5名がいることはほとんど知られていません。

 今回は、漫画家の水島新司氏からiPS細胞の臨床研究で大きな成果を上げた理化学研究所プロジェクトリーダー・高橋政代氏、栃木県知事・福田富一氏、クリエイティブディレクター・佐藤可士和氏、長唄演奏者の宮田哲男氏といった並び順でした。懇談内容は陛下と特別誘導者が付けるピンマイクを通じて、国民にも伝えられます。

 園遊会は、天皇皇后両陛下が主催する戸外の宴会です。明治時代には春の「観桜会」、秋の「観菊会」と称され、現在の「園遊会」という名称で催されたのは戦後の昭和28年、昭和天皇の時代からでした。

 毎年、春と秋の2回、赤坂御苑で催される園遊会は、衆・参両院議長・副議長・議員、内閣総理大臣、国務大臣、最高裁判所長官・判事、その他の認証官など立法、行政、司法の各機関の要人、その他各界功労者らとその配偶者約2000名が招かれます。様々な顔ぶれでその時代の日本を知ることができるのです。

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン