ずっと地下を走っていた埼玉高速鉄道が明るい地上に出ると、まもなく終点の浦和美園駅に近づいた合図。埼玉スタジアムの最寄り駅であるこの駅に、かわいい駅長がやって来たのは、2015年6月のこと。
「浦和美園駅を愛される駅に!ということで、わたしが抜擢されました。ラビたま、という名前は“ラビット”と“さいたま”のミックスで、沿線の子供たちが付けてくれたのよ」
彼女に白羽の矢が立ったのは、浦和には狛犬の代わりに狛ウサギが置かれている調神社があり、市民から親しまれていること、そしてなんといっても愛らしいことが最大の理由だ。
平日は8~9時半までと16~17時半、土日祝日は9~11時と、15~17時の勤務時間は駅構内でお客さんたちを見守る、ラビたま駅長。それ以外の時間はというと…。
「駅長室で業務をいたしております。そもそも埼玉高速鉄道には駅長という制度がなく、わたしが初の駅長だし、初の駅長室なんですよ」
かわいい駅長にメロメロなのは、駅の利用者だけではない。駅員たちも夜勤が苦にならなくなったと笑顔を見せる。社員手作りの“駅長服”をさっそうと着こなしたラビたま駅長は、埼玉スタジアムをホームにする浦和レッズのマスコット・レディア以上の人気を目指して、今日も業務にいそしんでいる。
【プロフィール】
名前:ラビたま ♀
年齢:1歳半
種類:イエウサギ
勤務先:埼玉高速鉄道
職種:浦和美園駅・駅長
主な仕事内容: 浦和美園駅を利用されるお客さまのお見送りとお出迎え。
お給料: ウサギフード。頑張った日は、ごほうびに大好物のウサギ用ドライフルーツ。
好きなこと: 耳と耳の間を撫で撫でしてもらうこと。
嫌いなこと:大きな音。
現在の悩み: ひとりぼっちで寂しいので、同僚か彼氏がいてくれたらなぁ…。
将来の夢:ラビたまグッズや、ラビたま電車ができたら嬉しい!
撮影■山口規子
※女性セブン2016年1月1日号