2015年5月28日に胃がんで死去した、漫才師の今いくよさん(享年67)。昨年9月に胃がんであることを公表。手術後も舞台に立っていたが、再び体調を崩し、大阪府内の病院で亡くなった。
1980年代のお笑いブームを牽引した女性漫才コンビ『今いくよ・くるよ』。高校時代の同級生だった2人は1973年に結成。その6年後に夫婦漫才コンビ『宮川大助・花子』は結成した。
花子には当時、生まれたばかりの赤ちゃんがいたため、地元・大阪を出るつもりはなく、あまり売れる気もなかった。
「楽屋でお会いするたびにいくよ姉さんは私にこう言いはるんです。『花ちゃん。上をねらわなあかん。上をめざしいや』って。何度も何度も言い続けてくれました」(花子・以下同)
いくよさんの助言を少しずつ受け入れるようになり、しばらくして全国放送の出演が決まった。放送前日に花子がそのことを報告すると、いくよさんは自分のことのように喜んでこう言った。
「明日の朝、太陽があんたに微笑みかけてくれているで」
次の日から『宮川大助・花子』をとりまく環境が変わった。
「仕事の依頼の電話がジャンジャンかかってきたり、東京での仕事が増えたり、全国区の漫才師になれました。いくよ姉さんの言葉は、ピカピカの人生が待っているよという意味やったんです」
互いに忙しくなっても交流は続いた。花子は、仕事や家族のことで悩む度にいくよさんの楽屋を訪れた。年末にはいくよさんの衣装の手直しを手伝うのが恒例だった。
「いつも『ありがとうね』と言ってお小遣いをくれはるんです。私、もういい大人なのに(笑い)。つい最近までそうだったんです。だから、いないということを感じへんのです。まだいくよ姉さんはすぐそばに、太陽のような笑顔でいてくれてる気がします」
※女性セブン2016年1月1日号