さらに、その手口があざといことも極めて問題視されている。前述の通り、30年ものの茅台酒を注文した際は、知り合いのレストランの店長に「事前にペットボトルに移しておいてくれ」と命じて、さもミネラルウオーターのように偽装していたのだ。
これに加えて、接待費と偽って、レストラン側に偽の領収書を発行させ、張氏が立て替えたことにして、金を着服し、自身の洋服を買うなど私的に流用していた事実も明るみに出ている。
張氏の場合、とくに海外出張での豪遊はすさまじいばかりで、香港では珍味といわれ、1皿100万円もする鰐の尾の料理を食べ、イタリアのミラノでは自身の誕生日パーティを開いて、一晩に数万ユーロ(1ユーロ=約132円)もの食事代を公費で支払ったというほどだ。当局は張氏を公費横領などの疑いで捜査しており、立件を急いでいる。
中国では2014年の1年間だけで、収賄や横領などの汚職で摘発された党・政府幹部らが前年比7.4%増の5万5101人にも上り、過去最高を記録。幹部の摘発急増が特徴で、摘発された幹部のうち、中央省庁の課長級以上に相当する者は前年比40.7%増の4040人で、局長級以上は589人と前年比約2.3倍と急増している。