◆先進国の中で最も割安で魅力的な市場が日本株

 翻って、日本の現状はどうか。すでに、日本企業の利益率は、リーマン・ショック前の水準を超えて過去最高となっている。企業収益の増加が実質賃金の上昇につながり、好循環が始まりつつある。だが、今のところ、そうした好循環は需要には結びついていない。

 その理由は、アベノミクスのスタートによって、いったん浮揚した人々のポジティブなマインドが、2014年の消費税増税で腰折れしたからだ。そのネガティブな状態が続く中、すでに2017年4月の再増税に人々の目は向き、マインドは萎縮したままになっている。

 しかし、今後の状況を冷静に眺めれば、再浮揚するきっかけは少なくない。消費税再増税に向けて、政府・日銀による景気拡大策は必至。財政出動および追加金融緩和がセットで実施される可能性も十分考えられる。

 そこへ、米国の利上げが加わったことで、ドルは上値を切り上げ、円安が進行する。新たな財政・金融政策に円安が加わることで、ネガティブなマインドは払拭されるだろう。その結果、アニマルスピリット(*注)が復活し、リスクをとって投資する意欲が高まれば、株価は大きく反応するはずだ。1ドル=125円を超えて円安が進行すれば、さらなる上値も期待できる。

【*アニマルスピリット/投資行動の動機となる、将来に対する主観的な期待。元々は英経済学者・ケインズが著書の中で用いた言葉】

 日米欧の先進国間で、最も経済が強いのは米国であることは論をまたない。だが、米国の株価はすでに大きく上昇してきたため上値余地は小さい。それに対し、日本株のPBR(株価純資産倍率)などのバリュエーション(株価価値)は先進国最低水準で割安さが際立つ。上値余地から考えると、日本株は最も魅力的な市場となっている。

 アベノミクス相場が始まって以降、株価は最大2.4倍となったが、企業の大幅増益により、割安感は薄まっていない。中国経済次第という側面はあるものの、2016年の日経平均株価は2万5000円を目指すだろう。

 過去20年間、主要国の名目GDPが3倍、4倍と成長する中、日本経済だけが麻痺したかのように成長が止まっていた。その日本が、20年間の雌伏を超えて復活しようとしている。これは疑いようのないメガトレンドといえるだろう。弱気になる必要はどこにもない。日本株の長期上昇シナリオは、今も継続している。

※マネーポスト2016年新春号

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