国際情報

「プーチンはトルコ恫喝のためイスラエルと手握る」と佐藤氏

国民からの支持率もうなぎ上り Kremlin/Sputnik/Reuters/AFLO

 欧米諸国で「イスラム国」打倒の協力体制が整ったと思った矢先に事件は起きた。ロシア軍機のシリア領内での墜落。プーチン大統領はトルコ軍の関与を明言し、ロシア・トルコ関係は一触即発の状態にある。2016年の国際情勢の鍵を握るのは間違いなくプーチン大統領である。作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏がその次なる行動を示唆した。

 * * *
 プーチン大統領は、エルドアン政権を徹底的に揺さぶるつもりだ。そこでロシアが重視しているのがイスラエル・カードだ。2015年12月11日、プーチン大統領は、モスクワで国防省幹部を招集し、演説を行った。

〈プーチン氏は「重要なことは、テロリスト排除を本当に望む国々との協力を進めることだ。それにはイスラエル空軍の拠点や米国が率いる有志連合との情報交換も含まれる」と述べ、かつては「国際法違反」だとして批判していた有志連合による空爆との協力関係を進める姿勢を鮮明にした。/トルコによるロシア軍機撃墜については直接言及しなかったが、「我が軍に対するいかなる挑発行為も未然に防がねばならない」と強調。「ロシア軍部隊を脅かすような標的は、直ちにすべて全滅させることを、特に厳しく命じる」と述べた。〉(2015年12月11日「朝日新聞デジタル」)

 ロシア軍はこれまでも米軍とは、軍用機の偶発的な衝突が起きないように連絡を取り合っていた。トルコは有志連合にも参加している。

 プーチン大統領は、トルコとの対立を米国を含む他の有志連合にまで拡大することはないという姿勢を鮮明にした。その上でイスラエル空軍との協力についてプーチン大統領が言及したことには大きな意味がある。

関連キーワード

関連記事

トピックス

新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
《新恋人発覚の安達祐実》沈黙の元夫・井戸田潤、現妻と「19歳娘」で3ショット…卒業式にも参加する“これからの家族の距離感”
NEWSポストセブン
キム・カーダシアン(45)(時事通信フォト)
《カニエ・ウェストの元妻の下着ブランド》直毛、縮れ毛など12種類…“ヘア付きTバックショーツ”を発売し即完売 日本円にして6300円
NEWSポストセブン
2025年10月23日、盛岡市中心部にあらわれたクマ(岩手日報/共同通信イメージズ)
《千島列島の“白いヒグマ”に見える「熊の特異な生態」》「冬眠」と「交雑繁殖」で寒冷地にも急激な温暖化にも対応済み
NEWSポストセブン
中村雅俊が松田優作との思い出などを振り返る(撮影/塩原 洋)
《中村雅俊が語る“俺たちの時代”》松田優作との共演を振り返る「よく説教され、ライブに来ては『おまえ歌をやめろよ』と言われた」
週刊ポスト
レフェリー時代の笹崎さん(共同通信社)
《人喰いグマの襲撃》犠牲となった元プロレスレフェリーの無念 襲ったクマの胃袋には「植物性のものはひとつもなく、人間を食べていたことが確認された」  
女性セブン
大谷と真美子夫人の出勤ルーティンとは
《真美子さんとの出勤ルーティン》大谷翔平が「10万円前後のセレブ向けベビーカー」を押して球場入りする理由【愛娘とともにリラックス】
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(秋田県上小阿仁村の住居で発見されたクマのおぞましい足跡「全自動さじなげ委員会」提供/PIXTA)
「飼い犬もズタズタに」「車に爪あとがベタベタと…」空腹グマがまたも殺人、遺体から浮かび上がった“激しい殺意”と数日前の“事故の前兆”《岩手県・クマ被害》
NEWSポストセブン
医師がおすすめ!ウイルスなどの感染症対策に大切なこととは…?(写真はイメージです)
感染予防の新常識は「のどを制するものが冬を制する」 風邪の季節に注意すべき“のど乾燥スパイラル”とは?
NEWSポストセブン
「秋の園遊会」でペールブルーを選ばれた皇后雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《洋装スタイルで魅せた》皇后雅子さま、秋の園遊会でペールブルーのセットアップをお召しに 寒色でもくすみカラーで秋らしさを感じさせるコーデ
NEWSポストセブン
チャリティーバザーを訪問された秋篠宮家・次女の佳子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《4年会えていない姉への思いも?》佳子さま、8年前に小室眞子さんが着用した“お下がり”ワンピで登場 民族衣装のようなデザインにパールをプラスしてエレガントに
NEWSポストセブン
佳子さまの“着帽なし”の装いが物議を醸している(写真/共同通信社)
「マナーとして大丈夫なのか」と心配の声も…佳子さま“脱帽ファッション”に込められた「姉の眞子さんから受け継ぐ」日本の伝統文化への思い
週刊ポスト
真美子さんが“奥様会”の写真に登場するたびに話題に(Instagram /時事通信フォト)
《ピチピチTシャツをデニムジャケットで覆って》大谷翔平の妻・真美子さん「奥様会」での活動を支える“元モデル先輩ママ” 横並びで笑顔を見せて
NEWSポストセブン