小林:そもそも中国が強硬な態度をとり続けるのは日本に対する恐れの表れ。
独裁国家だから、日本を敵として徹底的に叩いてナショナリズムを煽らないと内部から崩壊してしまう。もっとも危険なのは、人民解放軍の兵士たちが日本の脅威を教育で植え付けられていること。政府の意向とは関係なく、尖閣諸島で兵士が暴発してしまうととんでもないことになる。
ただそんな状況になれば、自衛隊は4時間で中国海軍を壊滅させるから、逆に中国内部が崩壊してしまう。中国各地で暴動が起きるだろうから、解放軍を国内に差し向けなければならない。中国大陸が血の海になる。
三浦:もしもそんな状況になったら尖閣諸島どころではなくなってしまいますね。
小林:そう。不文律が残っている日本よりも、わしは無秩序な中国が心配で心配でなんとかしてあげなきゃと考えているんだ(笑)。
●小林よしのり/1953年福岡県生まれ。漫画家。2015年は、『新戦争論』『卑怯者の島』『9条は戦争条項になった』『大東亜論第二部 愛国志士、決起ス』を発表。小誌『大東亜論』連載は、第三部「自由民権篇」に突入し、日本の“民主主義”の源流を描いている。
●三浦瑠麗/1980年神奈川県生まれ。国際政治学者。東京大学農学部卒。同法学政治学研究科修了(法学博士)。現在、東京大学・日本学術振興会特別研究員。山猫総合研究所代表。著書に『シビリアンの戦争』『日本に絶望している人のための政治入門』など。
※SAPIO2015年2月号