芸能

ミニシアターで連日満員の映画『ヤクザと憲法』がすごすぎる

居並ぶヤクザも入れ墨もすべてホンモノ

 事務所の玄関を開け、カメラが中に入り、暴力団員たちの顔をモザイクなしで映し出す。地方局が作った異色のドキュメンタリー映画が話題を呼んでいる。本誌で山口組分裂騒動を報じるフリーライターの鈴木智彦氏は、「現状、これ以上の映像ドキュメントは不可能というレベルの作品」と絶賛する。いったい何がそんなにすごいのか。鈴木氏がレポートする。

 * * *
『ヤクザと憲法』というドキュメンタリー映画が、全国のミニシアターで連日満員になっている。タイトルは、憲法14条が定める「法の下の平等」に、ヤクザは含まれるのかという問題を指す。

 制作は東海テレビで、まずは昨年3月、東海3県でテレビ放送された。評判は全国に伝わり、日本民間放送連盟賞の優秀賞を受賞。映画化されることになった。

 映画版の大ヒットには、山口組の分裂という予想外の宣伝効果があったろう。しかし実際かなりの力作なのだ。とにかく膨大な時間を掛けている。取材スタッフは実に100日間も指定暴力団・二代目東組(大阪市西成区)の二代目清勇会に密着し、40分テープ500本を撮影したという。

 朝、事務所の責任者がやってくる午前10時に毎日の取材が始まる。時に幹部会や総長の葬儀が挟まるが、主にカメラが追いかけるのはヤクザの日常生活だ。

 スタッフの質問は極めてストレートである。組員が持ち込んだテントを見つけて、「これ機関銃ですか?」「拳銃がないといざという時どうするんですか?」と畳みかけるシーンは、ヤクザも苦笑しながら「テレビの見過ぎ」と答えるほかなく、劇場でもかなりの笑いに包まれていた。東海テレビの土方宏史(「土」の字は正式には「土」の中に「、」)監督は言う。

「最初は舎弟ってなんだとか、それさえ分からなかった。(ヤクザに)聞くと『お前らどんだけ知らないんだ。勉強してこい』と怒られるけど、うちは勉強せずに行く、考えながら走るというのが伝統。だから取材が始まって以降、ネットや書籍、『仁義なき戦い』などで勉強していました」

トピックス

「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
悠仁さまの「加冠の儀」に出席された雅子さま(時事通信フォト)
《輝きを放つシルク》雅子さま、私的な夕食会で披露した“全身ゴールド” ファッション専門家「秋を表現された素晴らしい一着」
NEWSポストセブン
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
クイズ企画が人気を集めている『新しいカギ』の特番が放送される(公式HPより)
《1コーナーから2時間特番に》『新しいカギ』「高校生クイズ何問目?」が高校生から高い支持 「純粋にクイズを楽しめる」「負けても納得感」で『高校生クイズ』との違いも 
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
「パー子さんがいきなりドアをドンドンと…」“命からがら逃げてきた”林家ペー&パー子夫妻の隣人が明かす“緊迫の火災現場”「パー子さんはペーさんと救急車で運ばれた」
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト
韓国アイドルグループ・aespaのメンバー、WINTERのボディーガードが話題に(時事通信フォト)
《NYファッションショーが騒然》aespa・ウィンターの後ろにピッタリ…ボディーガードと誤解された“ハリウッド俳優風のオトコ”の「正体」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン