「全国の伝統仏教宗派で構成される全日本仏教会がその筆頭です。イオンが葬式への僧侶の紹介サービスを始めた2009年当時、同社はお布施の金額を『読経一式+普通戒名=25万円』『直葬+普通戒名=10万円』などとホームページに明記していました。ところが全日本仏教会から、“お布施の具体的な金額は載せないでほしい”という申し入れがあり、削除した経緯がある」(業界紙記者)
そうした行動の理由を全日本仏教会に取材すると、こんな答えが返ってきた。
「宗教活動と商行為の境がなくなってしまうことに関して問題意識を持っております。私どもは宗教法人法に則って宗教活動をしていますので、商行為と私どもの活動が混同され、それがスタンダード化されてしまうことに危惧を感じているのです。
お布施は慈悲の心をもった財施であり、見返りを求めないことで自利利他円満の高徳が成就されるものなのです。商品を売り買いするような感覚で値段をつけるべきではないと考えております」
※週刊ポスト2016年1月29日号