これまでは教育資金を1500万円まで非課税で贈与できる「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」、いわゆる教育資金贈与が祖父母世代の相続税対策の目玉だったが、ジュニアNISAを活用すれば暦年贈与(年間110万円以下なら贈与税が非課税となる制度)と併用してより手軽に相続税対策が可能になる。子育て世代にとっても、わが子のジュニアNISAは親に相続税対策や贈与の意思の有無を確認する良いきっかけになるだろう。
現行制度の増額とジュニアNISAの新設により、家族単位で考えると非課税投資ができる枠は大きく増えることになる。たとえば、両親と子ども2人の4人家族のケースでは、1年で400万円、総額で最大2000万円の非課税投資ができることになる。
現行制度ではNISAは特別な投資枠として長期投資や配当狙いなど目的を絞って活用する例が多かっただろうが、ここまで枠が増えればかなり自由な投資ができるはずだ。家族単位でどのように活用していくか、計画しておく必要があるだろう。その際は、長期間にわたり引き出しが制限される子どもの枠と、自由度が高い大人の枠に分けて投資スタンスを検討したい。
■文/森田悦子(ファイナンシャルプランナー・ライター)
※マネーポスト2016年新春号