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2016.01.25 16:00 週刊ポスト
医療先進国の中で日本のがん患者の死亡数が増えている理由
日本人の死因のトップはがんで、2014年に約37万人が亡くなっている(厚生労働省調べ)。男性の場合、肺がんがもっとも多く、女性の場合は大腸がんがトップだ。
がん治療のキモはとにもかくにも「早期発見」だとされている。がんの進行度は0(早期)から4(末期)までのステージで分けられるが、たとえば、肺がんの場合でステージ1の5年生存率は76.5%であるのに対し、ステージ4では3.1%である。がん治療の技術は日々進歩しているが、早期発見が重要であることに変わりはない。
ところが、日本ではいまだにその認識が定着していない。がん難民コーディネーターの藤野邦夫氏はいう。
「欧米を含めた医療先進国で、がん患者の死亡数が増えているのは日本ぐらい。OECD30か国のがん検診率を見ると、概ね70~80%であるのに、日本は30~40%です。ステージ4でやっとがんが発見される患者が後を絶ちません」
しかし、ひと言で「がん検診」といっても、住民検診や会社での検診、人間ドックでのがん検診など形態はさまざまあり、メディアでは日々、開発中の新たな検査法が紹介されている。本当にがんがみつかるのか、費用対効果はどうなのかなど、疑問を持つのは当然だ。医療経済ジャーナリストの室井一辰氏はいう。
「検査によって科学的な根拠はさまざまですが、住民検診や職域検診といった国の制度の下で推奨される検査で、集団の死亡率を下げたという根拠があり、受けておきたい。一方で、人間ドックで採用されている検査はより多様ですが、科学的根拠を積み重ねている段階で、発展途上のものも含まれるということは覚えておくべきです」
人間ドックは従来の検診とは全く別物だと誤解している人が多いが、人間ドックのがん検診というのは、伝統的な実績のある検査を含め、新たに開発された別の検査をさまざま組み合わせて、精度を上げていくものだという。
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