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トヨタも舌巻くスズキの新興国戦略 先行者利益は垂涎の的

 なによりも、新興国市場におけるスズキの販売網は一朝一夕に築かれたものではない。

 スズキの「お家芸」ともいわれ4割のシェアを持つインド市場は、大手メーカーが北米一辺倒の海外進出を始めた1980年代に真っ先に目をつけ、現地労働者のストライキなどの苦難を経験しながら地道に存在感を高めていった。

 その他、ベトナムやカンボジア、ミャンマーなど日本と商習慣の違う国々にもいち早く生産拠点をつくってきた逞しさが、279万台という世界販売台数に繋がった。かつて“落穂拾い経営”と揶揄されたこともあるが、いまやその先行者利益が他社から垂涎の的になっているのだ。

「大手メーカーがリスクや採算性を考えて尻込みしていたような未開の地にこそ旨みがあると、粘り強く新興国ビジネスを続けてきたことが奏功しています。

 例えば、パキスタン赴任を経験した担当者は、あまりの商慣行の違いに初めは愕然としたらしいのですが、現地の部族長と家族ぐるみの付き合いをしながらコツコツとスズキブランドを売り込んでいったといいます」(井元氏)

 こうした泥臭いスズキ流経営にトヨタの資本力が加わるとすれば、両社にとってスケールメリットの拡大は十分に期待できるだろう。前出の福田氏はこんな見解を示す。

「トヨタの豊田章男社長は、ライバルとも積極的に手を結んで日本のモノづくりを守りたいという構想を持っています。近年、クルマづくりにおいて安全・環境といったテーマが重要視されている中、トヨタが抱く“オールジャパン戦略”が世界でどう活かされていくか。今後の自動車業界再編の行方も左右するだけに注目です」

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