ぽっちゃりキャラも前向きに受け入れている


野呂:AKB48の頃からそんな感じでしたよ。アイドルをやっている時から、自分はちょっと違うなと思っていたんです。アイドルってみんな、細くてかわいくて女の子らしくて、って感じじゃないですか。でも私は、目指しているのがビヨンセさんだったので、自分の体形が大きいと思っていなかったんです。

 ダンスも歌も、お手本にするのは黒人の歌手。それが、お笑いが好きというだけで、お笑いキャラみたいになっちゃって。だから元々アイドルは向いていなくて、AKB時代に色々と勉強させていただいて、ようやく居心地のいい場所にたどり着きました。

――自分の体形が大きいと気づいたのは、いつ?
 
野呂:AKB48時代に、劇場の最前列の人に言われたんです。厳しい世界ですよね。でも、サイズをごまかして2才サバを読みしてAKBに入っているし、写真も細く加工していたので、そもそもなんですよ(苦笑)。受かったのは奇跡なんです。最終審査に行ったら、審査員の方々がびっくりしていたから。

 私がラッキーだったのは、テレビ電話オーディションが間に入っていたんです。テレビ電話って上半身の一部しか映らないんですよ。私は胸から下がぽっちゃりだから、歌の最終審査に行ったら、「この子、誰が呼んだの?」みたいな感じだったらしくて。顔だけならセンター候補だったそうですけどね(笑い)。

――ぽっちゃりキャラと言われるのは嫌ですか?

野呂:いいえ。それがなかったら、個性がなかったと思います。それに今は『ラ・ファーファ』(ぽっちゃり女子のためのファッション誌)の表紙をやらせてもらったりして。上島さんとのキスもそうですけど、なにがどう転がるかわからないですよね。

【野呂佳代(のろ・かよ)】
1983年10月28日 生まれ。東京都出身。2000年に芸能界デビュー。2006年、第二期AKB48追加メンバーオーディションに合格 。2009年よりSDN48としても活動開始、翌年完全移籍をしてキャプテンに就任。2012年にSDN48を卒業。現在、『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)『志村けんのバカ殿様』(フジテレビ系)をはじめとして、テレビ、ラジオ、舞台などで活躍。4月23日より新国立劇場・中劇場で上演されるミュージカル『アニー』出演。

撮影■田中麻以

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