スポーツ

「アンチ巨人」は死語? 「くたばれ讀賣」禁止運動も

 ファンが多ければその分アンチも多くなる。日本のプロ野球では、長く絶大な人気を誇った読売巨人軍を嫌う「アンチ巨人」の存在が知られてきた。巨人選手にヤジを浴びせ、巨人の敗北を誰よりも喜んだ人々。でも最近感じませんか。真のアンチ巨人が、ほとんどいなくなってしまったことを──。

『週刊ベースボール』(2015年12月28日号)に掲載された、ベースボールライター・石田雄太氏の連載コラム『閃・球・眼』が興味深い。「アンチ巨人」と題されたその回では、名古屋出身の石田氏が年の瀬に野球好きの昔の仲間と会した時のことを綴っている。

〈そういえば、と言って盛り上がったのが、最近のプロ野球界に蔓延る“アンチ巨人絶滅論”だ〉
〈アンチ巨人は巨人のことに詳しかった。(中略)穴が開くほど見つめなければ捉え切れない特徴をつかんでいる。そう、アンチ巨人は巨人を嫌いだと言いながら無関心ではなかったのだ。

 下位のバッターにホームランを打たれるたびに「出たぁ、エガワの手抜きだぁ」と喜べるのは江川のピッチングを熟知しているからだし、チャンスで凡退した原の打球を見上げて、「よっしゃあ、またまた内野フライだぁ」と叫べるのも、原の打席を見続けているからだ。“好き”の反対は“嫌い”ではなく“無関心”だという言葉に説得力を持たせてくれたのが、アンチ巨人という存在だった〉

 そして石田氏は〈今、そういう人は激減している。同時に野球に対して、そして巨人に対して無関心な人が増えてしまった〉と綴る。これは憎らしいほどの実力を持つスーパースターの不在と、プロ野球への「無関心」を意味するものであり、球界、特に巨人は重く受け止めるべきだ──という趣旨であった。

 アンチ巨人全盛の時代では考えられなかったようなエピソードがある。近年は神宮球場での東京音頭演奏時に、前奏で「くたばれ讀賣、くたばれ讀賣♪」(※アンチ巨人は、「読売」ではなく敢えて旧字体で「讀賣」と書くのもこだわり)と歌うのを自粛し、「東京ヤクルト」と歌うように私設応援団が呼びかけている。同様に阪神ファンの集まる関西の居酒屋などでも、「くたばれ讀賣コールをやめよう」という動きが起きている。

「かつては1億総評論家といわれるほど、プロ野球ファンは皆が一家言を持っていました。良いプレーには拍手し、悪いプレーは平気で叱りつけていた。ヤジも“球場の華”とされ、球場観戦の楽しみの一つでした。

 ところが今は、三振した選手を“次は頑張れ”と慰め、ノックアウトされた投手でも拍手で迎えるファンが増えている。選手に対する批判や悪口に聞こえる言葉は、愛情の裏返しだとしてもダメという風潮。評論家まで批判を自重するような時代になりました。当然、『アンチ巨人』なんて死語になるわけです。そういう時代になったといえばそれまでですが、本当にこれでいいのかという思いもあります」(元巨人・広澤克実氏)

関連記事

トピックス

WEST.中間淳太(37)に熱愛が発覚、お相手は“バスり”ダンスお姉さんだ
《デートはカーシェアで》“セレブキャラ”「WEST.」中間淳太と林祐衣の〈庶民派ゴルフデート〉の一部始終「コンビニでアイスコーヒー」
NEWSポストセブン
犯行の理由は「〈あいつウザい〉などのメッセージに腹を立てたから」だという
「凛みたいな女はいない。可愛くて仕方ないんだ…」事件3週間前に“両手ナイフ男”が吐露した被害者・伊藤凛さん(26)への“異常な執着心”《ガールズバー店員2人刺殺》
NEWSポストセブン
Aさんは和久井被告の他にも1億円以上の返金を求められていたと弁護側が証言
【驚愕のLINE文面】「結婚するっていうのは?」「うるせぇ、脳内下半身野郎」キャバ嬢に1600万円を貢いだ和久井被告(52)と25歳被害女性が交わしていた“とんでもない暴言”【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
WEST.中間淳太(37)に熱愛が発覚、お相手は“バスり”ダンスお姉さんだ
《独特すぎるゴルフスイング写真》“愛すべきNo.1運動音痴”WEST.中間淳太のスイングに“ジャンボリお姉さん”林祐衣が思わず笑顔でスパルタ指導
NEWSポストセブン
食欲が落ちる夏にぴったり! キウイは“身近なスーパーフルーツ・キウイ”
《食欲が落ちる夏対策2025》“身近なスーパーフルーツ”キウイで「栄養」と「おいしさ」を気軽に足し算!【お手軽夏レシピも】
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
「どうぞ!あなた嘘つきですね」法廷に響いた和久井被告(45)の“ブチギレ罵声”…「同じ目にあわせたい」メッタ刺しにされた25歳被害女性の“元夫”の言葉に示した「まさかの反応」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
遠野なぎこと愛猫の愁くん(インスタグラムより)
《寝室はリビングの奥に…》遠野なぎこが明かしていた「ソファでしか寝られない」「愛猫のためにカーテンを開ける生活」…関係者が明かした救急隊突入時の“愁くんの様子”
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)が犯行の理由としている”メッセージの内容”とはどんなものだったのか──
「『包丁持ってこい、ぶっ殺してやる!』と…」山下市郎容疑者が見せたガールズバー店員・伊藤凛さんへの”激しい憤り“と、“バー出禁事件”「キレて暴れて女の子に暴言」【浜松市2人刺殺】
NEWSポストセブン
目を合わせてラブラブな様子を見せる2人
《おへそが見える私服でデート》元ジャンボリお姉さん・林祐衣がWEST.中間淳太とのデートで見せた「腹筋バキバキスタイル」と、明かしていた「あたたかな家庭への憧れ」
NEWSポストセブン
先場所は東小結で6勝9敗と負け越した高安(時事通信フォト)
先場所6勝9敗の高安は「異例の小結残留」、優勝争いに絡んだ安青錦は「前頭筆頭どまり」…7月場所の“謎すぎる番付”を読み解く
週刊ポスト
アパートで”要注意人物”扱いだった山下市郎容疑者(41)。男が起こした”暴力沙汰”とは──
《オラオラB系服にビッシリ入れ墨 》「『オマエが避けろよ!』と首根っこを…」“トラブルメーカー”だった山下市郎容疑者が起こした“暴力トラブル”【浜松市ガールズバー店員刺殺事件】
NEWSポストセブン
WEST.中間淳太(37)に熱愛が発覚、お相手は“バスり”ダンスお姉さんだ
《熱愛ツーショット》WEST.中間淳太(37)に“激バズダンスお姉さん”が向けた“恋するさわやか笑顔”「ほぼ同棲状態でもファンを気遣い時間差デート」
NEWSポストセブン