◆1発ゲンコツしました
境氏は〈子供と子育て世代の環境整備〉という政策をオフィシャルサイトで掲げている。その一方で虐待していたとすれば、宮城県民への裏切り行為でもある。宮城県議会のベテラン議員に同氏の評判を尋ねると、驚いてこう語った。
「まだ2期目ということもあり、議会の中ではあまり目立たない存在ですが、人当たりが良く、虐待なんてするような人には見えない」
渦中の境氏を直撃した。
──虐待の事実はあるのか。
「訴状にあるような虐待はしていない。子供たちが悪いことをした時に叱ったことは何度かありますが……」
──一昨年8月に長男を殴り、額に大きなコブができたとある。
「それには理由があるのです。あの日は私もAも外出する用事があり、子供たちに鍵を預け、“外には遊びに行かないように”と言っていたのですが、鍵を開けっぱなしにしたまま遊びに行ってしまった。
Aが激昂していたので、“私が叱るから”と彼女をなだめました。子供たちと正座して向き合い、Aが見ている前で長男の頭に1発ゲンコツをしました。
その時に出来たコブによって昨年11月に高橋さんから傷害で刑事告訴もされましたが、子供を叱って告訴されるなんてありえない。Aも検察に“あれは虐待ではありません”と証言しています」
──児童を深夜まで寝かせず、米粒を箸で皿から皿に移動させたことは?
「あれは次男が上手く箸を使えていなかったので、私と一緒に30分間くらい米粒を使って練習しただけです。“100粒”や“深夜まで”というのはデタラメです」
──ならば、虐待の事実はないと?
「はい。ありません。訴訟についてはこちらも弁護士を立てて対応します。困るのはこれ以上、騒ぎが大きくなってしまうこと。私も大きな声で反論したいですが、今は子供のことを考えて控えている。
私は子供たちと一緒に卓球やサッカーをするほど仲が良かったのです。一昨年の父の日にはプレゼントももらいました。彼らも私に懐いてくれていました」
双方とも“子供のため”と強調するが、ならば訴訟などせずに話し合いで解決すれば良かったはず。釈然としない話である。
※週刊ポスト2016年2月19日号