ホテルは一軍・二軍で分かれていることが多い。大抵の場合は一軍が新しいホテルを使う。例えば巨人の宮崎キャンプでは、長く「青島グランドホテル」が一軍宿舎として利用されてきたが、その近くに新しいリゾートホテル「ANAホリデイ・インリゾート宮崎」ができると、一軍選手はそちらに移り、「青島~」は主に二軍選手が利用するようになった。

「阪神では藤田平監督が“二軍の宿舎のほうが眺めがいい”とのことで、一軍宿舎と交換したことがありましたね。一軍宿舎のほうが球場へのアクセスが良く、移動の負担が減るので、良かれと思っていたのですが(笑い)」(野崎氏)

 一軍選手は個室、新人や二軍選手は2人部屋であることがほとんどだ。あるセ・リーグOBは、「昔は大部屋で7~8人で雑魚寝だったのにね」と羨ましがる。

「主力選手でも相部屋が普通だった。それに食事は、昼は食堂か地元業者の弁当で、夕食も修学旅行生さながらの旅館の冷めた膳だった。それが最近は、昼は高級ホテルの厨房で作ったランチが球場へ運ばれ、夜は栄養士が管理する豪華メニューが並ぶ。今の選手たちは恵まれているよ」

 物価の安い地方とはいえ、地元を代表する高級ホテルだからそれなりの値段がかかる。仮に宿泊費・飲食費を1日1人あたり3万円として、これが150人分だから1日で450万円。キャンプ前には神社で必勝祈願などを行なうことから、大抵が前日か前々日に現地入りしているので、30日間の滞在として計算すると、1億3500万円だ。宿泊だけで軽く1億円オーバーである。

※週刊ポスト2016年2月19日号

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