猪木対ロビンソンは、1-1のタイスコアから時間切れのドローで、馬場対ロビンソンは、トータル約20分のファイトタイムで馬場が2フォールを奪っての文句のつけようのない勝利。
ロビンソンは、十八番の“人間風車”で猪木を宙に舞わせたが、巨体の馬場には同じ技をかけることができなかった事実も馬場ファンを大いに喜ばせた。馬場は、前年の大木金太郎との“因縁の一戦”と同様、試合時間でも試合内容でも、猪木との“差”をディスプレーしてみせた。
ロビンソンは、その後、現役を引退する昭和60年までレギュラー枠で全日本プロレスのリングに登場。猪木とのたった一度の遭遇については力強く弁舌を振るったが、馬場との試合については、あまり多くを語ろうとしなかった。
●さいとう・ふみひこ/1962年東京都生まれ。プロレス・ライター、コラムニスト。プロレスラーの海外武者修行にあこがれ17歳で単身渡米。1981年より取材活動。『週刊プロレス』創刊時からスタッフ・ライターとして参画。『ボーイズはボーイズ』『みんなのプロレス』など著作多数。専修大学などで非常勤講師。
※週刊ポスト2016年2月26日号