――そもそも、一連の騒動を想起させるようなCMを制作した際の久美子社長の反応は?
「家族の日常の1シーン、家具を選ぶ際の自然な家族の姿を表したCMとして制作しましたので、当社としてはそのような認識はございません」
――父娘が登場する設定のCMをシリーズ化させたのはなぜか。また続編をつくるにあたっての久美子社長の感想は?
「シリーズ化はもともと視野に入れておりました。前作では、当社に対して『入りにくい』、『堅苦しい』などのイメージがありましたので、より親しみを感じていただけるよう、店員の親しみやすさや楽しく気軽なショールームをお伝えすることを目的としました。
そのため、ストーリーの舞台を実際の大塚家具の店舗にし、身近にいらっしゃるような、ごく一般的な家族の目線を通じて描きました。
前作は家族4人が登場しましたが、今回は新しくなった店を強調するため、要素をシンプルにするために2人に絞りました。前作もイメージキャラクターとしてメインであった娘と、コミカルな演出の役割を担う父という構成です」
――新CMはすべてが生まれ変わった大塚家具に父娘が来店する設定だが、今後、大塚勝久氏が来店し、久美子社長が案内するような予定はあるか?
「大塚勝久氏本人のプライベートなことですので分かりませんし、お答えする立場にありません」
残念ながら、幸せな家族の家具選びに対する“かぐや姫”社長の個人的な想いや、勝久氏との「今」をうかがわせるコメントはもらえなかった。ちなみに、勝久氏は新たに設立した家具メーカー「匠(たくみ)大塚」の営業を4月より開始する予定で、大塚家具の持ち株は次々と売却。すでに筆頭株主でさえなくなっている。
CMの最後につけられている新生大塚家具のキャッチコピーは、「幸せをレイアウトしよう」。一度大きな亀裂が入った大塚家の親子関係の場合は、そう簡単にはレイアウトし直せないのかもしれない。