◆最新の改善法は?
では具体的に効果が期待される食品は何なのか。まずは高血糖に効果があるとされる研究から見ていく。
【緑茶、コーヒー】
昨年5月に発表された国立がん研究センターの調査では、コーヒーや緑茶を1日3~4杯飲む人はほとんど飲まない人より心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患のリスクが低下していた。これらは高血糖によってリスクが上昇する疾患である。そのため、コーヒー、緑茶が血糖値を低下させるのではないかと期待されている。
「ポリフェノール成分が糖質の吸収を抑え、体内の糖代謝を促進して血糖値を下げます。食事と一緒に摂るとなお効果的です」(前出・板倉名誉院長)
ただし、利尿作用によって血糖値や尿酸値が上がってしまう可能性があるので飲みすぎは禁物だ。
【地中海式ダイエット】
米国で心疾患の患者が減少したという調査もある食事法にも注目だ。
「オリーブオイルやナッツ、魚貝類を多く摂取し、赤身の肉や乳製品を避ける『地中海式ダイエット』は血糖値上昇を抑え、糖尿病のリスクを下げる食事法として世界的に評価が高い。これはギリシャなどの食事の特徴を取り入れたものです」(北品川藤クリニック・石原藤樹院長)
【野菜ジュースには要注意】
健康に良いものとして毎日飲む人も多い野菜ジュースだが問題もある。
「市販されている野菜ジュースやフルーツジュースは飲みやすいように糖尿病に良いとされる食物繊維を取り除いてしまっていたり、糖分が入っていることもあるので、逆に血糖値を上げてしまいます。野菜や果物をジュースで摂る場合は、ミキサーで搾ってそのまま飲むことを勧めます」(前出・板倉名誉院長)
【菌ペプチド、菊の花、ヨーグルト】
尿酸値改善に効果が期待される食品もある。
月桂冠総合研究所は、 菌が発酵生産するペプチドという成分に尿酸値を軽減させる性質があるという試験結果を、カネカは菊の花から抽出したポリフェノールが体内の尿酸バランスを整えるという研究結果をそれぞれ発表している。
さらに、両国東口クリニックの大山博司理事長は乳酸菌の効果にも注目すべきだという。
「PA-3という乳酸菌が腸内で尿酸を分解するという研究も進んでいます。開発分野は日進月歩。今後も驚くような血糖値、尿酸値対策が出てくるでしょうね」
数値に惑わされることなく自分の体と向き合いたい。
※週刊ポスト2016年3月4日号