国内

東大理IIIに3人の息子合格させた母 東大AO入試を語る

AO入試を開始した東大(Ph:Thinkstock by GettyImages)

 2月10日、東京大学は今年導入した推薦入試、いわゆるAO入試で77人が合格したと発表した。募集にあたっては、〈数学オリンピックなどの科学オリンピックで顕著な成績をあげたことを示すもの〉(経済学部)などの厳しい条件が課され、センター試験でも8割以上の得点が目安になるなど、総合的に難易度の高い入試になっていた。

 この推薦入試について、「まだ1回目なのでわからないところもある」とはっきりと意見したのは佐藤亮子さんだ。3人の息子を難関私立・灘高から東大理III(医学部)に現役合格させた彼女はこう言う。

「一般入試なら、医学部に入ってから物理を学びたくなれば、学部を変えられるけど、推薦組はそれができないようです」

 通常、東大の入学者は3年進級時に学部を決めるが、 「推薦組」は出願時点で学部を選ぶ。大学1、2年時から専門的な学部の講義や実習を受けられるというメリットは大きいが、逆に将来の選択肢が狭まってしまうことを佐藤ママは疑問視しているのだ。

「大学入学前に数学オリンピックで賞を取ったからって、ずっと数学をやりたい子ばかりではない。17~18才でその子の能力の一部を切り取って、進路を固定すると、将来にとって大切な多様性や可能性をなくしてしまう気がします」

 そう主張する佐藤ママは、「一般入試こそ受験の王道」との持論を展開する。

「推薦やAOで特別に優秀な子を選ぶのではなく、一般入試で入学した学生を優秀な子に育てればいいんです。入る時点でふるいにかけるのではなく、入ってからその子の特別な能力を見つけてあげて、育て上げるのが本来の教育です。子供には隠された個性がたくさんあるので、大学はそれを引き出してほしい」

関連キーワード

関連記事

トピックス

WSで遠征観戦を“解禁”した真美子さん
《真美子さんが“遠出解禁”で大ブーイングのトロントへ》大谷翔平が球場で大切にする「リラックスできるルーティン」…アウェーでも愛娘を託せる“絶対的味方”の存在
NEWSポストセブン
ベラルーシ出身で20代のフリーモデル 、ベラ・クラフツォワさんが詐欺グループに拉致され殺害される事件が起きた(Instagramより)
「モデル契約と騙され、臓器を切り取られ…」「遺体に巨額の身代金を要求」タイ渡航のベラルーシ20代女性殺害、偽オファーで巨大詐欺グループの“奴隷”に
NEWSポストセブン
高校時代には映画誌のを毎月愛読していたという菊川怜
【15年ぶりに映画主演の菊川怜】三児の子育てと芸能活動の両立に「大人になると弱音を吐く場所がないですよね」と心境吐露 菊川流「自分を励ます方法」明かす
週刊ポスト
ツキノワグマは「人間を恐がる」と言われてきたが……(写真提供/イメージマート)
《全国で被害多発》”臆病だった”ツキノワグマが変わった 出没する地域の住民「こっちを食いたそうにみてたな、獲物って目で見んだ」
NEWSポストセブン
2020年に引退した元プロレスラーの中西学さん
《病気とかじゃないですよ》現役当時から体重45キロ減、中西学さんが明かした激ヤセの理由「今も痺れるときはあります」頚椎損傷の大ケガから14年の後悔
NEWSポストセブン
政界の”オシャレ番長”・麻生太郎氏(時事通信フォト)
「曲がった口角に合わせてネクタイもずらす」政界のおしゃれ番長・麻生太郎のファッションに隠された“知られざる工夫” 《米紙では“ギャングスタイル”とも》
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン
東京都慰霊堂を初めて訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年10月23日、撮影/JMPA)
《母娘の追悼ファッション》皇后雅子さまは“縦ライン”を意識したコーデ、愛子さまは丸みのあるアイテムでフェミニンに
NEWSポストセブン
将棋界で「中年の星」と呼ばれた棋士・青野照市九段
「その日一日負けが込んでも、最後の一局は必ず勝て」将棋の世界で50年生きた“中年の星”青野照市九段が語る「負け続けない人の思考法」
NEWSポストセブン
2023年に結婚を発表したきゃりーぱみゅぱみゅと葉山奨之
「傍聴席にピンク髪に“だる着”姿で現れて…」きゃりーぱみゅぱみゅ(32)が法廷で見せていた“ファッションモンスター”としての気遣い
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
松田聖子のモノマネ第一人者・Seiko
《ステージ4の大腸がんで余命3か月宣告》松田聖子のものまねタレント・Seikoが明かした“がん治療の苦しみ”と“生きる希望” 感激した本家からの「言葉」
NEWSポストセブン