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若者に増加の「スマホ老眼」 加齢性と異なり改善可能

「若者の老眼」原因と対処法を解説する赤星隆幸医師


 上述のように、スマホ老眼を招く原因のひとつは距離の問題だ。一定の距離で固定されているパソコンと違い、スマホはどうしても近づけて見てしまい、夜、暗い部屋で寝ながら使ってしまうなんてことも。近くのものを見るときに目に負担にならない「距離の指標」を赤星医師が解説してくれた。

「近視のコンタクトレンズには-2.5D(ディオプター)だとか、-5.0Dなど度数が書いてあります。100cmをこの度数で割ると、目に負担をかけずに見ることができる至適の距離が出ます。例えば100cmを2.5で割ると、40という数字が出ます。-2.5Dの近視の人は、40cmよりも近づけて見ると、無意識のうちに調節力が働いて負担がかかっています。40cmよりも遠くであれば、緊張はかからないので疲れないという目安になります」

 遠くがよく見えるように限界まで度を上げてレーシック手術を受けた人や、メガネやコンタクトの度を下げても見え方や疲れが改善されない人には、低加入累進レンズも対策のひとつだという。

「累進レンズは上から下へ少しずつ度数が変わっていく仕組みで、近くが楽に見られます。OLさんなど30才代の女性にかなり人気があって、ポピュラーに出ています。パソコンを長時間使う人は、こういうメガネをかけることで、疲れを減らすことができます」

 ほかにも眼精疲労の対処として、温めた蒸しタオルを目の上にのせる温あん法や、逆に冷やしたタオルをのせる冷あん法も症状軽減に有効。ドライアイも眼精疲労の要因だが、目が乾くときにさす目薬には、注意が必要だと指摘する。

「市販の目薬によく書かれている『疲れ目にビタミン』はまず効きません。まず、充血解消が効能に書いてある目薬はやめた方がいいです。ナファゾリンという血管収縮剤によって、点眼したときには血管がギュッと縮んで血液が流れなくなるので赤味はとれますが、リバウンドでどんどん血管が太くなり、慢性の充血になってしまいます。ベザルコニウムという防腐剤が入ったタイプもお薦めしません。微量でも角膜に害のある防腐剤を目に入れてしまうので、防腐剤が入っていない点眼薬が理想的です」

 迅速にピントを合わせる調節力や若いうちに持っている高性能の視力が衰えてしまうのはなんとも勿体ない。中高年でなる加齢性の老眼と違い、調節の緊張状態が原因の“若者の老眼”は改善の余地がある。本当の老眼になる前に、早めに対処したい。

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