「みんな癒やしを求めてましたね。お客さんの口から『癒やされたい』とか『心を落ち着かせたい』という言葉が出ていました。だから私もそういう人たちを癒やしてあげたいなって……。髪を洗ってほしいと言われて、洗ってあげたりとかしましたね」(ラブさん)
話を聞く、肩を揉む、髪を洗う、全身を洗うなど、性感サービスに限らず、相手に求められることをやったのだという。
チャコさんは、1階が津波で完全に破壊されたアパートの2階に呼ばれたこともあった。
「家を流されたり、仕事を失ったり(中略)家族を亡くしたという人もいましたね」
両親と妻と子供を一度に津波で失った30代後半の男性客は、チャコさんにこう打ち明けたという。
「どうしていいかわからない。人肌に触れないと正気でいられない」
■取材協力/小野一光(ノンフィクションライター)
※週刊ポスト2016年3月11日号