永田町では今夏の衆参同日ダブル選へ向けて与野党がひた走っている。しかしダブル選挙となれば有権者は1度に5回の投票(衆院選小選挙区、衆院選比例代表、参院選選挙区、参院選比例代表、最高裁判事の国民審査)を行なわなければならなくなるなど大混乱が予想される。今回の選挙から実施される18歳への選挙権拡大も混乱の大きな火種だ。
自民党の茂木敏充・選対委員長は、党の会合で参院選の投開票日について「7月10日より前になることはない」と言明しており、安倍首相が衆参ダブル選挙に踏み切る場合、国会日程からみて会期末の6月1日に衆院を解散、参院選は6月23日、衆院選は6月28日に公示され、「7月10日投開票」の日程が最有力視されている。
この日程が18歳の新有権者にパニックを広げかねない。政治ジャーナリストの藤本順一氏が指摘する。
「公選法には3か月以上その選挙区に居住していなければ投票権が与えられない規定がある。しかし、18歳の春は進学や就職などで転居する人が非常に多く、前の住所で投票しなければならないケースが続出するはず。新しい住所の選挙区で投票できると思い込み、せっかく選挙権を得たのに投票できない若者も大量に生まれるのではないか」
※週刊ポスト2016年3月25日・4月1日号