スポーツ

元巨人・加治前竜一 社会人入りし「一般紙も読むように」

三菱重工長崎でプレーする元巨人・加治前竜一

 NPBは毎シーズンオフ、12球団合同のトライアウトを行っている。そこでは、独立リーグや社会人から声がかかることもある。そのトライアウトによる「社会人移籍組」で、いち早く結果を残したのが元巨人の加治前竜一(30)だ。来年、創部100年を迎える名門・三菱重工長崎で、4番を任されている。

 奈良・智弁学園時代には高校通算43本塁打のスラッガーとして知られ、2007年にドラフト4位で巨人入り。特に鮮烈な印象を残したのはプロ1年目の2008年6月6日の対ロッテとの交流戦だ。加治前のプロ初打席は右翼席に飛び込むサヨナラ弾。NPB史上初の快挙だった。

 しかしその後は伸び悩み、7年目の2014年オフに戦力外通告。合同トライアウトの結果、社会人野球の三菱重工長崎でプレーすることになった。

 チームには加治前の他に、野原将志(27・元阪神・内野手)、岸敬祐(29・元ロッテ・投手)の2人の元プロ野球選手がいる。3人の活躍もあり、昨年、三菱重工長崎は2012年ぶりに社会人野球2大大会(都市対抗、日本選手権)ダブル出場を果たした。

 長崎・稲佐山のふもとにある三菱球場。室内練習場には「全国制覇」の看板が掲げられている。シート打撃で柵越えの打球を連発していたのが加治前だった。

「戦力外通告を受けた時は頭の中が真っ白になるのかと思ったら、逆にお世話になったいろんな人の顔が頭に浮かびました。家に帰って、まず妻に相談しましたね。長男(悠斗君)が野球をようやくわかってきた頃ということもあって、もう少し頑張ってみようかなと……。妻も同じ考えでした」(加治前、以下「」内同)

 2014年当時、合同トライアウトは2回開催された。

「2回とも精神的にムチャクチャしんどかった。一発勝負の学生時代の試合の緊張とも、プロ野球の大舞台の緊張とも全く違う。勉強になりましたね。

 1回目は3打数1安打で、独立リーグから連絡があり、2回目は4打数2安打で、2日後に三菱重工長崎から連絡がありました。子供の頃から野球しかやってこなかったから、社会人生活のすべてが勉強です。スポーツ紙だけじゃなく、一般紙も読むようになりました」

 今は嘱託社員として1年ごとに契約を更新する身だ。今年は契約を更新し、無事2年目を迎えられた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

近年ゲッソリと痩せていた様子がパパラッチされていたジャスティン・ビーバー(Guerin Charles/ABACA/共同通信イメージズ)
《その服どこで買ったの?》衝撃チェンジ姿のジャスティン・ビーバー(31)が“眼球バキバキTシャツ”披露でファン困惑 裁判決着の前後で「ヒゲを剃る」発言も
NEWSポストセブン
2025年10月末、秋田県内のJR線路で寝ていた子グマ。この後、轢かれてペシャンコになってしまった(住民撮影)
《線路で子グマがスヤスヤ…数時間後にペシャンコに》県民が語る熊対策で自衛隊派遣の秋田の“実情”「『命がけでとったクリ』を売る女性も」
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
文化勲章受章者を招く茶会が皇居宮殿で開催 天皇皇后両陛下は王貞治氏と野球の話題で交流、愛子さまと佳子さまは野沢雅子氏に興味津々 
女性セブン
各地でクマの被害が相次いでいる(右は2023年に秋田県でクマに襲われた男性)
「夫は体の原型がわからなくなるまで食い荒らされていた」空腹のヒグマが喰った夫、赤ん坊、雇い人…「異常に膨らんだ熊の胃から発見された内容物」
NEWSポストセブン
雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
【天皇陛下とトランプ大統領の会見の裏で…】一部の記者が大統領専用車『ビースト』と自撮り、アメリカ側激怒であわや外交問題 宮内庁と外務省の連携ミスを指摘する声も 
女性セブン
相次ぐクマ被害のために、映画ロケが中止に…(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
《BE:FIRST脱退の三山凌輝》出演予定のクマ被害テーマ「ネトフリ」作品、“現状”を鑑みて撮影延期か…復帰作が大ピンチに
NEWSポストセブン
名古屋事件
【名古屋主婦殺害】長らく“未解決”として扱われてきた事件の大きな転機となった「丸刈り刑事」の登場 針を通すような緻密な捜査でたどり着いた「ソフトテニス部の名簿」 
女性セブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン