自然体で話す姿が印象的だった
垣内:それが嫌で(苦笑)。引退したばっかりだし、教室にいると指をさされて、「何で辞めたの?」とばかり聞かれました。でも愛犬の状況を見たら、「愛内里菜の前に1人の飼い主、この子には私しかいないんだ」と思って続けました。
試験にも合格し、半年でリフレクソロジストの資格を取りました。知識が豊富なうちに学ぼうと思って、愛護動物管理士、ドッグヨガのインストラクター、フード販売士などの資格も取得しました。
毎日愛犬のマッサージをして、リハビリして、足の筋肉をつけるためにお風呂のお湯に浮かせながら歩かせたりして。1年続けているうちに、パインが立てるようになったんです。今13才で、とても元気ですよ。
――愛犬の状態が、一段落したんですね。
垣内:その頃にやっと、自分はこの先、どうしようかなって考えました。パインと向き合うことが、自分のリハビリにもなっていて、生活も気持ちも前向きになったんです。甲状腺の数値も安定してきたので、2012年に犬のブランド『Bon Bon Copine(ボンボン コピーヌ)』を始めたんです。
ドッグフードと手作りベッドのネット販売からスタートしました。店舗は当時も今もありません。通販と、いろんなお店に卸しています。
――今では年商5000万円と聞いていますが、そこまでいくのに時間がかかった?
垣内:1年かな。商売を知らずに始めちゃったので、無知ほど強いものはないという感じで(笑い)。給料制で、私の月収は25万円です。自分で好きに時間を作れるというところが、一番の価値になっているかもしれない。
――月収500万円の頃がありましたが、歌手時代のお金は残ってる?
垣内:衣装代もスタイリスト代も、全て自分持ちだったので、貯まるようで貯まらなかったんです。衣装代などで消えちゃうんですよ。ライブをやると、なんぼ出ていくのってぐらい(笑い)。テレビが増えると同じ衣装を着られないし、出演料より出費が多いこともありました。
大掛かりになればなるほど、1人じゃ動けないじゃないですか。衣装を着せてくれる人や、髪をセットしてくれる人も必要だし。その人たちの交通費とか、雇うのも全部自分だったんです。そこは個人でやってくれと事務所に言われていたので。
――2015年に、歌手復帰したきっかけは?