夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せてきたのは、出版社勤務のご主人(39歳)。奥様(28歳)は家事の「時短術」を実践しています。
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「朝ご飯は一日のパワーの源よ」と、料理本からレシピをメモし、調理をしていた女房。「スマホでページを撮ったり、レシピの書いてあるサイトを見たほうが早いんじゃないか?」とアドバイスすると、「やってみる!」。
でも、いざ、レシピが必要な時に「あれ? このレシピの写メ、どこに行ったのかな」。たくさん撮り過ぎて、どこに保存したのか分からなくなってしまったんです。「アナタが変なこというから、何倍も時間が掛かっちゃったわよ!」って、オレに文句かよ!
調味料も、「オシャレな容器だと気分が上がるの」と、同じ色の容器を数個買ってきて入れてしまったため、砂糖と塩の区別がつかず、イチイチ舐めて確認しています。
「目印を付けて、分かるようにしたほうが時短だぞ」というと、片方の容器に「S」のシールを貼る女房。「このSって何だ?」「アナタって意外とおバカさんね。砂糖は英語でSugar。頭文字はSよ」。塩も英語はSaltsでSだよ!
翌日、「アナタが変な情報を入れるから、シールのSが砂糖か塩か分からなくなったじゃないの!」って、またオレのせいかよ!
「Sじゃなく、漢字で『砂糖』と書けよ。ひらがなでもいいんだぞ」「何よ、馬鹿にして。アナタのそのイヤミが私の悩みなのよ。だいたいアナタって昔から……」。シャラップ! 時短だろ! しゃべってないで、早く朝食を作ってくれ!
※週刊ポスト2016年4月15日号