国内

花見の場所取り業者「外資系企業からの依頼が多い」

 幕末期、日本の開国化を進めた井伊直弼。井伊の記念碑建設のために買収された神奈川・横浜市にある丘は、彼の役職「掃部頭」から掃部山と呼ばれ、約200本の桜が満開となる春は、多くの花見客を魅了してきた。

 そんなのどかな公園の雰囲気が一変したのは2016年3月28日のこと。「近所の公園で『日揮』がエグい場所取りをしとる」と、広場の大部分を占拠した巨大なブルーシートの写真がTwitterに投稿されたのがきっかけだった。

 シートには5日間にわたり同社が使用する時間帯が書かれており、ご丁寧にも「上記時間帯以外はご自由にお使いください」との一文が添えられていた。そのため、「…って、アンタの敷地なのかよ」「何様のつもり」と批判が集中、スネークと呼ばれる潜入調査をする者も現れ、同社が謝罪し撤去する事態となった。

「日揮ほどではなくても、年々、場所取りのモラルが低下しているように感じます」と話すのは、都内で観光バスガイドを務める40代の女性だ。

「無人のシートは管理会社が巡回して撤去することもできるようですが、悪質なのはシートの上に座椅子やテーブル、掃除道具もセッティングしてその場を離れてしまうケース。勝手に処分できないと管理会社のかたが嘆いていましたよ」

 最近は面倒な場所取りをプロに任せる人も多い。1時間作業員1人あたり3000~1万円台まで、会社により値段設定はさまざま。『ワンストップ代行センター』代表の高野淳二さんは言う。

「この春のお花見だけでも30件以上の問い合わせがありました。法人、とくに外資系企業からの依頼が多いですね。当社は希望場所を第5候補まで出してもらい、複数スタッフで場所の確保に努めます。さらにブランケットのレンタルや後片付けなど、きめ細かいサービスを提供しています。

 ですが、なかにはブルーシートを敷いたらその場を離れてしまう代行業者もいます。場所の確保ができなくても“代行”料金は徴収されてしまうので、電話でしっかり打ち合わせされることをおすすめします」

※女性セブン2016年4月21日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン