しかし、虐待している親は「やっていない」「証拠はあるのか」などとシラを切る人が多い。
「動画や写真は証拠として効果はあるでしょう。ただし、撮影していることが虐待している親に見つかると、逆恨みなどのトラブルになるので絶対に無理はしないこと。また、撮影した動画や写真をSNS上にアップするのはダメ! プライバシー侵害で訴えられる危険があります」(佐伯さん)
証拠写真は、児童相談所や警察への状況説明用にのみ使用することが重要だ。
とはいえ、「もしも虐待ではなかったらどうしよう…」と思って、二の足を踏んでしまうことも多いだろう。しかし、問題なのは対応が後手に回って悲劇を生むことなのだ。
「『泣き声が激しい気がする』など、思い込みでもいいんです。虐待だと思ったけど“何もなかった”ことがいいことなんです。むしろ、発見が遅れる方が恐ろしい。虐待の疑いをかけられたことでショックを受ける人もいますが、そのフォローも児童相談所職員や警察がちゃんと行いますし、連絡をした人が責任を問われることはありません」(警視庁担当者)
しかし、何度通報しても状況が変わらないというケースも考えられる。
「おかしいと思ったら何度でも、迷わず、通告・通報をしてください。親は虐待の事実を隠すことがあるので、児童相談所や警察官が現場を押さえることはとても難しいんです」(高祖さん)
子供を守るためには、虐待の兆候がなくなるまで継続的に見守らなければならないのだ。
※女性セブン2016年4月21日号