国内

児童虐待の証拠は撮影すべきか?など虐待に関する専門家見解

 児童虐待のニュースが後を絶たない。今年3月には親から虐待を受けていると相模原市の児童相談所に通っていた男子生徒(当時14才)が自殺を図り、亡くなったことが発表された。

 虐待はたしかに家族の問題だろうが、周囲が通報することで最悪の事態を回避できるかもしれない。しかし、面倒なことに巻き込まれるのもゴメンだ──。そう考えている人も多いだろう。そこで、児童虐待を目撃した時にどうすればいいのか、そんな素朴な疑問を専門家に答えてもらった。

 そもそもの問題として「しつけ」と「虐待」がどう違うのかということがある。児童虐待防止全国ネットワーク理事の高祖常子さんが説明する。

「どんな事情があっても、子供が耐え難い苦痛を感じているようであれば、それは虐待です。そもそも、しつけや教育に暴力は絶対に必要ありません」(高祖さん)。

 しつけと主張するのは、親の言い訳にすぎない。また暴力を振るわなくても、食事を与えない、きょうだい間で極端に差別するなど、子供の人権や人格を否定する行為も虐待となる。

「虐待されているほとんどの子供は、殴られたり怒られたりするのは、自分が悪い子だからだと思い込んでいます。自己肯定感が低いので、自ら助けを求められません」(高祖さん)

 周りの大人の客観的な目が必要なのだ。では、実際に親が子供を殴っているところを目撃した時、どうすればいいのだろうか。声をかけても大丈夫なのだろうか。

「状況により、子供が危ないなら声をかけて。『どうしましたか?』『眠くてぐずっているのかな?』など、責めるのではなく、親に寄り添う言葉をかけるのがおすすめ。その一言で母親も冷静さを取り戻すかもしれません」(高祖さん)

 一方、安全生活アドバイザーの佐伯幸子さんは、子供には不用意に声をかけないようにとアドバイスする。

「不審者に間違われるおそれがあるので、189(児童相談所全国共通ダイヤル)や警察などに電話して指示を仰ぎましょう」(佐伯さん)

関連キーワード

トピックス

どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
相川七瀬と次男の凛生君
《芸能界めざす息子への思い》「努力しないなら応援しない」離婚告白の相川七瀬がジュノンボーイ挑戦の次男に明かした「仕事がなかった」冬の時代
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
世界が驚嘆した大番狂わせ(写真/AFLO)
ラグビー日本代表「ブライトンの奇跡」から10年 名将エディー・ジョーンズが語る世界を驚かせた偉業と現状「リーチマイケルたちが取り戻した“日本の誇り”を引き継いでいく」
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
豪雨被害のため、M-1出場を断念した森智広市長 (左/時事通信フォト、右/読者提供)
《森智広市長 M-1出場断念の舞台裏》「商店街の道の下から水がゴボゴボと…」三重・四日市を襲った記録的豪雨で地下駐車場が水没、高級車ふくむ274台が被害
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト