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医師・僧侶で末期癌の男性 「少し延びた命」の使い方

普門院診療所内科医・西明寺住職の田中雅博氏

 僧侶、そして医師として数々の末期がん患者を看取ってきた田中雅博氏(70)。自身も末期がんになり、余命を静かに受け入れながら、最期の日々をどう過ごすかを思案している。そんな同氏が説く「死との向き合い方」を説く書『いのちの苦しみは消える』が話題となっている。今、田中氏は何を考えているのか。

 * * *
 前回、週刊ポストの取材を受けてから3か月以上も経って、いま生きているのが不思議です。抗がん剤治療が効いたんですね。宝くじに当たったような気分です。再増悪するまで抗がん剤治療を続けますが、それで延命治療は終わりです。いまは少しいのちが延びた状態なので、どうやって日々を過ごすかを考えています。

〈田中氏は、栃木県益子町の西明寺に生まれた。西明寺の住職として、そして併設された普門院診療所の内科医として、数々の末期がん患者と向き合ってきた。ところが2014年10月に、自身にもステージ4b(最も進行した段階)のすい臓がんが発覚。昨年12月の時点で今年3月の誕生日を迎えられる可能性は少ないと語っていた〉

 人は残されたいのちがあとわずかだということが分かると、死ぬのが怖いという「いのちの苦しみ」がやってきます。それは、医学では救うことはできません。なぜ「いのちの苦しみ」が生まれるかというと、「自分に対するこだわりがあるからだ」とお釈迦様は言っています。

「自分への執着」を捨てるのが仏教の生き方ですが、「いのちの苦しみ」の緩和は仏教だけではありません。自分の人生がどんなものであったとしても、そこに価値を見出して「自分の人生の物語」を完成させる。そして、そこにいのちより大切なものを見つけることができれば、「いのちの苦しみ」は緩和できるのです。

 そのために、医療現場にはスピリチュアル・ケアワーカーが必要です。スピリチュアル・ケアワーカーとは、患者さんや医療従事者の「いのちの苦」のケアをする専門職です。患者さんの話を傾聴して、本人の人生、価値観を尊重します。そしてその人が「人生の物語」を完成させるのをお手伝いする。

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