ライフ

SNSへの写り込み投稿を回避できるプライバシー保護メガネ

 眼鏡フレーム全国シェア95%を占める「めがねのまち」、福井県・鯖江市に次世代の眼鏡が誕生した。

 同市の眼鏡資材総合商社・ニッセイが製造する『プライバシーバイザー』は、着用者のプライバシーを守る画期的な眼鏡である。開発した国立情報学研究所・越前功教授は言う。

「カメラ付き携帯電話が普及し、SNSが発達する中、コンピュータによる顔認識システムが進歩して、新たなプライバシー侵害が社会問題となっている。本人が意図せずに他人が撮影した写真に偶然写り込み、それがフェイスブックなどのSNSに投稿されることで“誰がいつどこにいたか”という個人情報が不特定多数に暴露される可能性がある。プライバシー保護を目的として開発したのが、この眼鏡です」

 例えば、フェイスブックでは、目や鼻、耳の間隔などの特徴に基づいて、写真に写っている人物が誰であるか自動的に判別するシステムがある。サングラスをかけていても人物を特定したというケースは多々ある。

 SNSに限らず、防犯カメラ、ドライブレコーダーなど、現代社会にはカメラが溢れ、監視社会とも言われる。そんな時代だからこそ、この眼鏡が必要となる。製造元のニッセイの佐藤竜一氏が解説する。

「従来の顔認識防止技術は、顔面に着色したり、顔を物理的に隠すことで、顔認識の前段となる『顔の位置の検出』を妨げる方法だったため、通常の対人コミュニケーションに支障をきたすという大きな欠点があった。

 プライバシーバイザーは、顔面に明暗をつくる可視光を反射、吸収する素材を眼鏡に貼付することで目の周りの明暗の特徴をなくし、検出を妨害するのです」

 この眼鏡の発売は、プライバシーが曝されることの多い芸能人にとっては朗報だろう。

「昨年のメガネベストドレッサー賞を受賞した又吉直樹さんと桐谷美玲さんには差し上げましたので、タレントさんの間でも話題になっているかもしれませんね」(前出・佐藤氏)

※週刊ポスト2016年5月27日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

一門はどうなるのか(左から香川、團子、猿翁、猿之助、段四郎。2011年撮影/共同通信社)
「市川猿之助」の名跡はどうなる? 市川團子が引き継ぐのが既定路線、襲名までは市川團十郎が後見人か
週刊ポスト
天海祐希(写真左/時事通信フォト)と市川猿之助(写真右)
《番宣キャンセル》天海祐希、滲み出る怒り “猿之助騒動”で映画『緊急取調室』ギリギリの公開判断迫られ「せっかくの絆が…!」瀬戸際の18日間
NEWSポストセブン
市議会で議長をつとめていた父・正道氏と青木容疑者
【長野立てこもり】“議長の父の後援会長”だった第一通報者の告白「政憲は、俺の目の前でブスッて…『殺したいから殺しただけだ』って」「父親は事件を聞いて崩れ落ちた」
NEWSポストセブン
悪評が広がり続けている日本維新の会の梅村みずほ参議院議員(時事通信フォト)
「ハンスト発言」騒動の維新・梅村みずほ議員 3年前に有権者に送っていた謝罪メールの「おかしな日本語」
週刊ポスト
市川猿之助は罪に問われる可能性は?
市川猿之助は罪に問われるのか “心中で生き残ったケース”は情状酌量により起訴されない場合も
週刊ポスト
エンゼルス・ネビン監督は大谷翔平とどんな会話をするのか?(提供:LosAngelesAngels)
【独占レポート】エンゼルス・ネビン監督が明かす大谷翔平の凄み「彼がこなすルーティーンより厳しくできる選手はいない」
週刊ポスト
ラッパー・呂布カルマ
グラドル好きの最強ラッパー呂布カルマ、風吹ケイをプロデュース グラビア撮影直後に語り合った「ぎゅうぎゅうの迫力」
NEWSポストセブン
紀子さま(時事通信フォト)
上皇ご夫妻とあわやニアミス! 紀子さま「隠密行動」の京都路でなぜか「見られなかったもの」
NEWSポストセブン
どうなる山川穂高
【強制性交容疑】山川穂高、書類送検で対応に追われるテレビ局 オフの「WBC特番」源田壮亮が代役か
週刊ポスト
帰宅ラッシュの駅に悲鳴が(六代目山口組の司忍組長/時事通信フォト)
【喫茶店で発砲、血の海に】町田・六代目山口組系組員射殺事件、事件直後の凄惨映像が出回る
NEWSポストセブン
花田虎上の元妻・花田美恵子さん(本人のインスタグラムより)
【激変の今】若乃花の元妻「元花田美恵子さん」激ヤセ、身長も縮み「顔が違う」インスタに驚きの声
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 野球まつり!大谷取材&江夏vs江川対談ほか
「週刊ポスト」本日発売! 野球まつり!大谷取材&江夏vs江川対談ほか
NEWSポストセブン