国際情報

温水洗浄便座購入の中国人が温水どこまで届くか実験

日本の家電への憧れは強い 時事通信社

 家電量販店では、多くの中国人観光客が日の丸家電を「爆買い」している。しかし、後日談を取材すると、日本では考えられないような事態が起きていた。

 中国人観光客に大人気の温水洗浄便座だが、失敗エピソードのオンパレードだ。

「買って帰って気付いたんですが、トイレのそばにコンセントがない。しょうがないから、廊下から延長コードを引っ張ってくることになり、トイレのドアがきちんと閉められなくなった。親類に笑われてしまいました」(広東省の女性)

 中国の一般的な住居では、トイレが浴室にあり、そばに電源がないことが多い。地方では、近所で初めて温水洗浄便座がついた家に人が集まってくるとか。湖南省の男性は、「親類や近所の人に自慢して使ってもらっていたら、義理の兄が尻を洗っている最中に立ち上がって“どこまで温水が届くか”と実験して床をびしょびしょにしてくれました(苦笑)」。

 自慢したくなる気持ちも実験したくなる気持ちもわからなくもないが……。

 やはり人気のお掃除ロボットは、中国の過酷な環境で使われているようだ。福建省の男性が語る。

「先日、突然動かなくなっちゃいました。やっぱり、床に水を流したあとに使ったらマズかったんですかね」

 中国の家庭の床はタイル貼りで、水を流して掃除するケースが多い。さすがにお掃除ロボに“から拭き”させてはいけないだろう。

 さらには、飲食店で床にバラ撒かれたエビの殻や魚の骨を吸わせられる可哀想なお掃除ロボもある。どうやら客への「新製品自慢」が目当てだから、壊れることも気にしないようだ。

 次の“失敗談”は、根が深い問題をはらむ。

「日本でゲームマシンを買ったんです。でも、地元の電気街で売られているコピーソフトを買ったら、使えなくて残念だった。まだ1度もプレイできていません」(広東省の男性)

 中国では、海賊版ソフトに対応した機器が多く出回っている。そのソフトが「正規品のハード」だと使えないというのだ。

 最近は、日の丸家電の現地サポート体制も整ってきている。確かに中国人は爆買いしてくれるありがたいお客様だが、あり得ない使用法についてクレームが来るようなサポートセンターには、少し同情してしまう。

※SAPIO2016年6月号

関連キーワード

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン