──活動費は誰が支出しているのか。

「会員費によるものだと思います」

〈日本会議のホームページによれば、支払う会費によって会員として受けられる特典が異なる。年会費3800円の「支援会員」は機関誌を毎月受け取れるのみ。その他5つの種別があり、最高額の10万円を払えば、会員証(ゴールドメンバーズカード)、会員バッジ、関連書籍、DVD、カレンダーにメールマガジンが付く。また、日本会議の広報部によれば他に団体・法人協賛金、機関誌広告料、会員からの協賛金があるという〉

──政権に影響力があると指摘されている。

「自民党、あるいは安倍政権と日本会議との関係は世間の人が見るほど密接なものではありません。つくる国民の会の『憲法改正1000万人署名活動』を自民党が支えてくれているわけでもない。自民党の中にも衛藤晟一氏のように熱心な議員もいるが、必ずしも自民党のオールジェネレーションが支持しているわけではない。日本会議は政権に対して政策提言してはいるが、影響力はそれほどのものではありません」(日本会議広報部は「第二次安倍政権発足以降、政府に政策提言はしていない」)

 こうした証言について、『日本会議の研究』の著者である菅野完氏はいう。

「日本会議の活動は善意の活動で、その中で田久保忠衛先生や長谷川三千子先生は改憲や日本文化を守るといった“目標”レベルで賛同して、参加されていると思う。しかし、冷静に見て、日本会議の主張に政権がなびいているのは否定しがたい。

 それなのにそう見せないのは、全体をコントロールするトップや事務方の有能さにある。椛島事務総長ら生長の家出身の事務方幹部が取材に答えないのは、そこに本丸があるからということでしょう」

 この不思議な組織は、これからどこへ向かうのか。

※週刊ポスト2016年6月3日号

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