国内

民進党と共産党の選挙協力で衆参W選に自民党の勝算立たず

衆参W選挙で自民党の勝算は?

 安倍晋三首相が衆参ダブル選挙をやりかねない雰囲気をぷんぷんと漂わせ、与党内では首相とダブル選挙に反対の立場である公明党が神経戦の真っ最中だ。そして菅義偉・官房長官も「解散・総選挙に大反対」とみられている。菅官房長官がダブル選挙に慎重な理由は「勝算」が立っていないことだ。

 先日の衆院北海道5区補選(4月24日)では、共産党が候補者を降ろして野党が候補を一本化し、自民党候補と大接戦を演じた。結果は自民党が辛勝したものの、民進党と共産党が選挙協力すれば両党の基礎票が合算されることがわかった。衆院選の小選挙区でも同じように共産党が候補者を降ろして自民対民主の一騎打ちとなった場合、都市圏を中心に接戦の選挙区が多くなる。

 実は、冒頭で触れた自民党の衆院300小選挙区の極秘調査でも衝撃的な結果が出たという。自民党の選挙責任者である茂木敏充・選対委員長に近い自民議員の話。

「共産票が民進党候補に上乗せされる前提で計算すると、自民党は衆院選で最大40議席減らす可能性があると聞いている」

「40議席減」となれば自民党は衆院260議席を割り、公明党の議席を合わせても衆院の3分の2を失うのは確実だ。

 若手議員を引き締めるために厳しい数字が流されているとしても、安倍政権にとって同日選は「相乗効果で衆参ともに3分の2を得るか、それとも衆院の3分の2を失うか」という一か八かのリスクの高い勝負になる。「この人の辞書に『楽観』の文字はない」(前出の菅側近)といわれる慎重居士の菅氏が解散・ダブル選に消極的になるのは当然だろう。

※週刊ポスト2016年6月3日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン