ライフ

食道がん内視鏡手術に新技術 狭窄予防の細胞シート治療

 食道がんの主な原因はアルコールで、飲酒後に顔が赤くなるタイプの人が過度の飲酒を続けると発症しやすい。患者数は全国で約2万人と推計され、他の消化管臓器と比べて再発しやすく、死亡率も高い治療が困難ながんの一つだ。

 治療は大きく分けて手術(開胸手術と内視鏡)、抗がん剤、放射線治療の3つだが、がんが食道粘膜内にあり、周辺のリンパに浸潤(しんじゅん)していない早期食道がんは、内視鏡による粘膜下層剥離術(ESD)による治療が標準になっている。これは食道粘膜にあるがんを、かなり広範囲に切除できるメリットがある。

 東京女子医科大学病院消化器外科・先端生命医科学研究所の大木岳志講師に聞いた。

「ESDは胃がんに続き、食道がんでも普及していますが、広い範囲で病原を切除することで潰瘍を生じ、それが原因で狭窄(きょうさく)が起こることが問題でした。ESD後の狭窄は非常に治療が大変で、食道を広げるために内視鏡的拡張術を行ないます。これは狭窄部に内視鏡下で切れ目を入れるもので、複数回実施しなければならず、患者さんの負担が大きいのが問題だったのです」

 近年、狭窄に対する治療として安価で簡便なステロイド治療も実施されるようになっている。しかし、ステロイド剤の服薬の場合は、糖尿病やムーンフェイスといった合併症のリスクがあり、注射による局所治療では、適切ではない場所に針を刺し、食道に孔をあけるといったケースもあるので注意が必要だ。

 そこで大木講師が研究開発したのが、ESDを行なった潰瘍のある場所に、細胞シートを移植して粘膜再生を促し、潰瘍による狭窄を予防するもので、消化管に対する再生治療としては世界初だ。細胞シートは口腔(こうくう)粘膜を培養して使う。口腔粘膜は食道粘膜と同じ扁平上皮(へんぺいじょうひ)で、再生が早いという特徴がある。

トピックス

雅子さまが三重県をご訪問(共同通信社)
《お洒落とは》フェラガモ歴30年の雅子さま、三重県ご訪問でお持ちの愛用バッグに込められた“美学” 愛子さまにも受け継がれる「サステナブルの心」
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
「とにかく献金しなければと…」「ここに安倍首相が来ているかも」山上徹也被告の母親の証言に見られた“統一教会の色濃い影響”、本人は「時折、眉間にシワを寄せて…」【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
マレーシアのマルチタレント「Namewee(ネームウィー)」(時事通信フォト)
人気ラッパー・ネームウィーが“ナースの女神”殺人事件関与疑惑で当局が拘束、過去には日本人セクシー女優との過激MVも制作《エクスタシー所持で逮捕も》
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン