国際情報

北宋の詩人の書が35.2億円で落札、1文字2600万円

 中国の北宋(960~1127年)の散文家、曾鞏(そう・きょう、1019~1083年)の書がこのほど、北京で行われたオークションで、中国の書としては最高の2億700万元(約35億2000万円)で競り落とされたことが分かった。これまでの最高値はやはり同じ曾の書で1億900万元(約18億5000万円)だった。

 曾は江西省南豊県の出身で。38歳で科挙の試験に合格し、以後、中央や地方の役人を務めながら、書を良くし、唐宋八大家の一人に数えられている。

 今回、競り落とされたのは曾の「局事帖」という作品で、曾がまだ身分の低い駆け出しの役人だったころ、彼のために奔走してくれた知人に対して書き送った感謝の言葉が主な内容。その書は全部でわずか124字しかなく、1字分で2600万円となる計算だ。

 落札したのは中国最大の民営エンタメグループ・華誼兄弟メディアの王中軍社長。王氏は芸術作品の熱心なコレクターとして知られており、2014年11月、米ニューヨークのサザビーズオークションでゴッホの名画「静物 ヒナギクとケシの花瓶」を入札。落札価格は5500万ドル(約60億円)で、コミッションを合わせると6176万5000ドル(約68億円)となった。

 このほか、王氏は昨年5月、やはり米ニューヨークのサザビーズオークションで、ピカソの油絵「Femme au Chignon Dans un Fauteuil」を2990万ドル(約33億円)で落札している。

 華誼兄弟メディアは王氏の弟・王中磊氏が最高経営責任者(CEO)を務め、映画「墨攻」や「西遊記 はじまりのはじまり」などの作品を生み出したことで知られる。王氏は画家でもあり、これまでに個展も開催しているほどだ。

 中国ではこれまで欧米の著名な画家の作品を中心に収集する資産家が多かったが、いまや中国の芸術作品を見直す風潮が拡大しており、今後は王氏のように中国の書や絵画、陶器などの芸術作品の人気の高まりが期待されている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

10月に公然わいせつ罪で逮捕された草間リチャード敬太被告
《グループ脱退を発表》「Aぇ! group」草間リチャード敬太、逮捕直前に見せていた「マスク姿での奇行」 公然わいせつで略式起訴【マスク姿で周囲を徘徊】
NEWSポストセブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《梨園に誕生する元アイドルの嫁姑》三田寛子と能條愛未の関係はうまくいくか? 乃木坂46時代の経験も強み、義母に素直に甘えられるかがカギに
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(クマの画像はサンプルです/2023年秋田県でクマに襲われ負傷した男性)
ヒグマが自動車事故と同等の力で夫の皮膚や体内組織を損傷…60代夫婦が「熊の通り道」で直面した“衝撃の恐怖体験”《2000年代に発生したクマ被害》
NEWSポストセブン
対談を行った歌人の俵万智さんと動物言語学者の鈴木俊貴さん
歌人・俵万智さんと「鳥の言葉がわかる」鈴木俊貴さんが送る令和の子どもたちへメッセージ「体験を言葉で振り返る時間こそが人間のいとなみ」【特別対談】
NEWSポストセブン
大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン
佳子さまの“ショッキングピンク”のドレスが話題に(時事通信フォト)
《5万円超の“蛍光ピンク服”》佳子さまがお召しになった“推しブランド”…過去にもロイヤルブルーの “イロチ”ドレス、ブラジル訪問では「カメリアワンピース」が話題に
NEWSポストセブン
「横浜アンパンマンこどもミュージアム」でパパ同士のケンカが拡散された(目撃者提供)
《フル動画入手》アンパンマンショー“パパ同士のケンカ”のきっかけは戦慄の頭突き…目撃者が語る 施設側は「今後もスタッフ一丸となって対応」
NEWSポストセブン
大谷翔平を支え続けた真美子さん
《大谷翔平よりもスゴイ?》真美子さんの完璧“MVP妻”伝説「奥様会へのお土産は1万5000円のケーキ」「パレードでスポンサー企業のペットボトル」…“夫婦でCM共演”への期待も
週刊ポスト
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン