アメリカにはすでに全国規模の集団で得たモデルがあるなど、欧米では研究が積み重ねられてきた実績がある。だが、欧米人と日本人では体質が異なるため、その研究結果をそのまま日本人に当てはめるわけにはいかない。この算出システムは、欧米における過去の研究や報告を応用し、トライ&エラーの末に到達したものだ。
この研究チームは、2013年には脳卒中の発症確率を予測する計算方法を発表していた。年齢、性別、喫煙、肥満度(BMI)、糖尿病の有無、血圧の6つのリスク要因を点数化し、合計点数から発症確率を予測するもので、本誌(2013年4月12日号)でもその算出方法を紹介した。当時は点数を自ら計算するアナログな手法だった。
さらに前回と違って、今回は肥満度の代わりにコレステロール値が入っているが、それは「動脈硬化との関係が強い脳梗塞の予測には、肥満度は有用ではなかった」(八谷氏)という理由からだという。
【*注】藤田保健衛生大学のホームページ内サイト
http://www.fujita-hu.ac.jp/~deppub/risk.html
※このサイトでは心筋梗塞と脳梗塞の発症確率診断のみ。脳卒中の発症確率は国立がん研究センターのサイトで診断できる。https://epi.ncc.go.jp/riskcheck/str/
※週刊ポスト2016年6月10日号