6月16日に正式開園を迎えた上海ディズニーランド。その華々しさとは裏腹に、プレオープン時から問題になっていたのが中国人のマナーの悪さだ。
アトラクション待ちの列への割り込み、喫煙やタバコのポイ捨て、タンの吐き捨て、落書きなどのほか、はしゃぎ疲れたのかベンチで横になる来客者の姿も。パレードを観るために柱やゴミ箱によじのぼったり、包丁でリンゴなどの果物の皮をむいて食べる姿もちらほら。
すでに「定番」となりつつあるが、園内広場で子供に小便をさせるシーンも健在。オープン当日も、さっそく正午の開園を待つ列で、男児に尿をさせる親の姿が目撃されている。
運営サイドも手をこまねいているばかりでなく、先手を打っている。「ディズニー史上最も厳しい」といわれるルールを徹底しており、自撮り棒の持ち込み禁止はもちろん、16歳以上はコスプレやマスク着用禁止が定められているほか、大型三脚や折り畳み椅子なども持ち込みはできない規定になっている。
割り込みを防ぐため、一部アトラクションでは行列中にトイレに行きたくなった客のための「トイレカード」も用意された。15分以内に戻ってきた場合に限り、行列に復帰できる。最初から並んでもいないのに「俺たちはトイレに行ってきただけ。割り込ませろ」というズルを防ぐためだとみられる。
だが、開園日の様子を見るに、これだけの規定を設けても、中国人客らの自由すぎる行動を制止させるには至っていないようだ。
問題は来園者の質ばかりではない。園内はすべての値段が高いことも批判を招いている。
中国版ツイッターの「微博」では<上海ディズニー肉まん1個35元>という言葉が流行。35元とは日本円で約560円。いくらミッキーの形をしていても、文句を言いたくなるのは理解できる。上海の街のコンビニなら5元(約80円)程度で肉まんが買える物価ということもある。ちなみに東京ディズニーランドでは「ミッキーまん」が400円台で売られていた。
レストランも不興を買っている。キャラクターを象ったご飯が崩れていたりと雑な盛り付けなうえ、「味もマズイ」と酷評されている。そのうえ値段は75~100元(1250~1700円)もする。中国の主要都市の平均月収は6700元(10万7200円)程度だから、いかに高いかがわかるだろう。
不慣れで園内のキャスト(スタッフ)の対応が行き届かないのはある程度仕方がないが、客のいるパーク内の片隅で休んだり、座り込んでスマホをいじったりするなどの姿も晒されている。