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2016.06.22 11:00  女性セブン

女性の殺人 追い詰められた末の犯行で、毒殺選ぶ犯人多い

 数年前、インターネットで「夫」という言葉を入力すると、その単語と同時に「死んでほしい」という言葉がもっとも検索されていることが判明し、各メディアで報じられるなど話題になったことがあった。この春、発売になった『夫に死んでほしい妻たち』(小林美希著、朝日新書刊)もベストセラーランキングの上位にランクインしている。離婚問題研究家の岡野あつこさんが言う。

「暴力や浮気で自分を強く否定されると“殺してやりたい!”と殺意を抱くほどに夫を憎む女性は少なくないはずです。もし経済的に自立している女性であれば、すぐに離婚となる。離婚件数が増えている現状からも、妥協やがまんが美徳とはいえない時代を映していると思います。

 でも経済的に離婚できない女性もいます。とはいえ、そういった人が実際夫を殺すということはほとんどなくて、みそ汁を濃く作るなど、小さな嫌がらせや意地悪をする。ある相談者の話ですが、冷酷な夫に心の中で“冷酷酷酷”という戒名をつけたという人もいます。そうやってネタにしたり、愚痴を言ったりするような人は大丈夫ですが、内にためこんでしまうタイプの女性が一線を越えてしまう」

 今年、兵庫で妻が夫を殺害する事件が起きている。3月6日夕方。神戸市北区の病院に、顔面蒼白の男性(59才)が駆け込んできた。医師に吐き気とめまいを訴えている最中に、意識を失って昏倒。翌7日に病院側は「メタノール中毒の可能性がある患者がいる」と兵庫県警に通報した。懸命の治療が続いたが、男性は10日、メタノールが原因の多臓器不全で亡くなった。

 メタノールは、アルコールの一種で、毒性の高い劇物。工業用の燃料や溶剤、医薬品の原料として用いられている。市販品では、コーヒーサイホンのアルコールランプなどに用いられる燃料用アルコールに含まれている。

 男性は仕事上でメタノールを扱う機会はなく、自殺する動機もなかった。事件とみて捜査を始めた県警が逮捕したのが11才年下の妻(48才)だった。再婚同士で、大学生の長男(20才)の連れ子がいた妻は、犯行をあっさり認めているという。

「ただし殺意は否認。動機も黙秘しています“やったことは間違いないが、まさか死ぬとは思っていなかった”と供述している」(捜査関係者)

 妻は夫が日常的に好んで飲んでいた2リットルの紙パックの日本酒に燃料用アルコールを混入。夫はその後、複数回にわたって妻から差し出された日本酒を飲み、6日午後に急性メタノール中毒を発症したとみられている。横浜薬科大学の篠塚達雄教授が説明する。

「メタノールは無色透明で、においも酒と似ているので、飲んだ瞬間に、いつもの酒と違うと自覚することは困難でしょうね。体内に入ると、酒の主成分のエタノールと同じように酩酊したような状態になります。

 エタノールは体内で害の少ない物質に分解されますが、メタノールは肝臓で分解されてホルムアルデヒドが発生し、これが頭痛、めまい、吐き気を引き起こします。特に視神経を傷つけるので、失明の可能性もある。さらに多量に摂取すると痙攣、呼吸麻痺を起こし、死ぬこともあります。またメタノールを吸入してから8~24時間は無症状の場合が多いです」

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