一方、50代の女性を見てみると、かつては男の世界だった政界にあって、非常に元気がある。野田聖子(55才)、高市早苗(55才)、稲田朋美(57才)など、発言をバッシングされるというリスクを負ってでも、自己主張は続けている。
他方、男性議員はというと、石破茂(59才)、石原伸晃(59才)、松野頼久(55才)などが50代。安倍晋三(61才)、麻生太郎(75才)ら上の世代と比べると、当たり障りのない性格というか、今一つ目立つ人材が少ないように思う。それはなぜなのか?
◆高度経済成長にバブル 右肩上がりの時代を駆け抜けてきた
そもそも、今の50代が育ったのは、終戦後に猛スピードで経済成長を遂げた高度経済成長時代。東海道新幹線が走り、大阪万博の開催、「月の石」を一目見ようと大行列になった。新宿をはじめとして全国各地で高層ビルが建設され、好景気で庶民の所得は倍増していった。
高度経済成長は1970年代で終わったが、代わりにやってきたのはバブル景気。50オトコたちが青春を過ごした時期はバブル期まっただ中で、ディスコにはお立ち台ができ、ボディコン娘が夜通しで踊っていた。大衆文化が華ひらき、男性雑誌が花盛りで、グルメやトレンディーという横文字が次々登場した。
一生懸命やひたむきさはかっこよくないという風潮で、社会人になっても学生気分で浮かれていたと香山さんは、当時を振り返る。
「政財界ではあまりパッとした顔を見なくても、サブカル系の有名人には人材が目立って多いのも50オトコの特徴でしょう。劇作家で演出家の鴻上尚史さん(57才)や美術評論家でコラムニストの山田五郎さん(57才)などは、今も変わらず活躍されています」
漫画家のみうらじゅん(58才)や、やくみつる(57才)など、確かに50代男性のカルチャー分野での活躍は目を見張るものがある。
※女性セブン2016年7月7日号