芸能

舛添要一前知事 出演時代劇で「潔く引退すべき」の名台詞

かつて時代劇に出演していた舛添前知事

 舛添要一前都知事がなんと時代劇に出演していた。しかも、世間を騒がせた政治資金私的流用騒動を思わせるセリフやエピソードが登場する驚きの内容。いったいどんな作品なのか? 舛添氏の役どころは? 時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野さんが、“厳しい第三者の目”でその中身を“精査”した。

 * * *
 そんなわけで、数々の疑惑と困惑を残したまま都庁を去った舛添要一前都知事。今後、どんな方向で活動していくのか? 『しくじり先生』などからオファーはされているのか? 気になるところだが、私は意外に「俳優」もアリかと思っている。というのも、過去に舛添前知事は、あの『必殺シリーズ』に出演しているのである。

 1990年正月に放送された『必殺スペシャル 新春大暴れ仕事人!横浜異人屋敷の決闘』。舞台は幕末。表の顔は町奉行所の同心、裏の顔は許せぬ悪を金ずくで抹殺する仕事人・中村主水(藤田まこと)は、結成されたばかりの浪士隊に潜入入隊して、リーダー格清河八郎(滝田栄)の行動を内偵することになった。

 主水を信用した清河は、五人の盗人を雇って、異人屋敷から「ペーパー」を盗み取ってほしいと依頼。そのペーパーは、幕府上層部と異人商人の不正の証拠なのだった! さすがバブル真っ盛り当時のスペシャルドラマらしく、放送は約三時間と太っ腹。仕事人は、藤田まこと、村上弘明、鮎川いずみに加え、片岡孝夫(現・仁左衛門)も出演する豪華版だ。

 しかし、このドラマのいったいどこに舛添前知事の出番が?と思えば、なんと、幕末の英雄、勝海舟(麟太郎)役! 裃姿、もちろんチョンマゲで登場し、江戸城の広間で、堂々と持論をぶつけるのである。私腹を肥やすのが大好きな悪役重役(中尾彬)が、武器弾薬に五十万両もの公金が必要と上様に進言すると、末席からずずっと出てきた舛添勝海舟が「あなたは間違っておられる!」と抗議。露骨に嫌な顔をした中尾彬に「若輩者め」とあしらわれると、「なんなら夜を徹して朝まで話し合いましょう」と、当時、気鋭の政治学者として出演していた『朝まで生テレビ!』」を思わせる発言。そして重役たちを「老害」と鋭く指摘し、「国を救わんとするなら、潔く引退すべきだ!!」と言い放つのである。…なんだかすごいセリフの数々。まさか四半世紀たって、そっくりなセリフを他人から言われることになろうとは。

 ちなみにドラマの中では、中村主水と、妻りつ姑せんが悪徳不動産業者(石倉三郎)に「富士山が目の前」「戦になったら江戸は危ないよ」などと言われて、箱根に別荘を買う買わないで騒動になるエピソードも出てくる。そういえば舛添前知事が公用車で出かけて会議をしたという別荘も湯河原だった。ますます深いご縁が…。なお、番組最後のクレジットには「勝麟太郎 舛添要一(賛助出演)」となっている。片岡孝夫の特別出演はわかるが、賛助出演っていったい何事か。本人のこだわりだったのか?

 元政治家のドラマ出演といえば、大女優八千草薫と夫婦役で連ドラ主演したり、『新・科捜研の女』にゲスト出演を遂げたハマコーこと浜田幸一の先例もある。はっきり言って、前知事の勝海舟の演技は微妙だったが、俳優チャレンジの価値はある。特に最近、悪役の席は空いてます! 調べたところ、舛添前知事の勝海舟ドラマは8月2日にCSで放送される。歯に衣着せぬ男、勝海舟だけに8月2日ってことで。見たい方、チェックしてみてください。

関連記事

トピックス

上原多香子の近影が友人らのSNSで投稿されていた(写真は本人のSNSより)
《茶髪で缶ビールを片手に》42歳となった上原多香子、沖縄移住から3年“活動休止状態”の現在「事務所のHPから個人のプロフィールは消えて…」
NEWSポストセブン
ラオス語を学習される愛子さま(2025年11月10日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまご愛用の「レトロ可愛い」文房具が爆売れ》お誕生日で“やわらかピンク”ペンをお持ちに…「売り切れで買えない!」にメーカーが回答「出荷数は通常月の約10倍」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《10代少女らが被害に遭った“悪魔の館”写真公開》トランプ政権を悩ませる「エプスタイン事件」という亡霊と“黒い手帳”
NEWSポストセブン
「性的欲求を抑えられなかった」などと供述している団体職員・林信彦容疑者(53)
《保育園で女児に性的暴行疑い》〈(園児から)電話番号付きのチョコレートをもらった〉林信彦容疑者(53)が過去にしていた”ある発言”
NEWSポストセブン
『見えない死神』を上梓した東えりかさん(撮影:野崎慧嗣)
〈あなたの夫は、余命数週間〉原発不明がんで夫を亡くした書評家・東えりかさんが直面した「原因がわからない病」との闘い
NEWSポストセブン
テレ朝本社(共同通信社)
《テレビ朝日本社から転落》規制線とブルーシートで覆われた現場…テレ朝社員は「屋上には天気予報コーナーのスタッフらがいた時間帯だった」
NEWSポストセブン
62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまのラオスご訪問に「感謝いたします」》皇后雅子さま、62歳に ”お気に入りカラー”ライトブルーのセットアップで天皇陛下とリンクコーデ
NEWSポストセブン
竹内結子さんと中村獅童
《竹内結子さんとの愛息が20歳に…》再婚の中村獅童が家族揃ってテレビに出演、明かしていた揺れる胸中 “子どもたちにゆくゆくは説明したい”との思い
NEWSポストセブン
日本初の女性総理である高市早苗首相(AFP=時事)
《初出馬では“ミニスカ禁止”》高市早苗首相、「女を武器にしている」「体を売っても選挙に出たいか」批判を受けてもこだわった“自分流の華やかファッション”
NEWSポストセブン
「一般企業のスカウトマン」もトライアウトを受ける選手たちに熱視線
《ソニー生命、プルデンシャル生命も》プロ野球トライアウト会場に駆けつけた「一般企業のスカウトマン」 “戦力外選手”に声をかける理由
週刊ポスト
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン